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新たなるカラ割る男に喝采す [2014年01月13日(Mon)]

__tn_20140113130822.jpg映画『アンコール!!』に涙した。

アーサーは頑固で融通のきかない老人。病気の妻マリオンの介助をしつつ、彼女が合唱団の練習に参加することを手助けしている。だが心配性な彼は妻に負担のかかることは認めない。彼女が体調をくずして早退した翌朝、団の仲間は家の前でコーラスをお見舞いしてマリオンを力づける。彼は激怒したが、マリオンも負けてない。私にとって大切な歌、仲間よ、そんな失礼はないでしょと。彼は妻にも団にも謝る。しかし、心情を表現したことなどない彼の言葉は謝罪になっていなかった。

一人息子ともうまくいかないアーサー。マリオンと孫が仲立ちして、かろうじて親子は関係を保っていた。マリオンは合唱コンクール予選でソロを歌った。「あなたの本当の色を出して」とアーサーに向かって。彼にとって、自分の色などない、今の自分を変えることなどできない算段だった。そんなこと「クレイジー」にほかならない‥‥。

ところが不幸が訪れる。アーサーは意を決して、行きつ戻りつしながらも身にまとってきた固い鎧を棄てようと決意する。自分の固定観念をかなぐり捨てて、自身が楽しめて面白いと思うことをしようとする。音楽教師エリザベスが体当たりでケアしてくれたことも大きい。不器用なアーサーが、もう手遅れだと失意に沈むこともあった。しかし彼はマリオンのためにコンクール本選で歌った。できなかったことを今伝える、今変わる、そして今を歌う。

すべてを否定的にとらえる一徹さは生まれつきだと彼は思っていたが、それは錯覚だった。幼い息子とふれあう若き日のアーサー。堅物さはいつの間にか身につけてきたものであることに彼は気づいた。それを払い去るべく彼は歌った。マリオンは天使、すべての人よありがとうと心を込めて歌う。その姿に満場はスタンディングオベーションに湧いた。都合よく物語は進行しすぎるという非難もあろうが、カラを破り新しい人生を開くために必要なステップを余すことなく示して、見事な展開だと思う。

日本の古い男たちとは愛情表現が違う。アーサーは仏頂面とはいえ、マリオンをきめ細かに介助し、体を気づかう思いやりを随所に見せ、先に逝かないでくれとつぶやいた。そしてキスしながら「愛している」と表現する。一方で映画『永遠の0』では、井崎(橋爪功)が、必ず生きて帰るっていうのは今の愛していると同義だという意味の台詞があった。その違いに驚く。そういう点で『Song for Marion』を日本語すれば、「アンコール!!」ではない。直訳で「マリオンに歌う」で不自然ならば、『妻との大喝采』。マリオンよ、ありがとう。今こうして歌う私を導いてくれた。会場の人たち、合唱団の仲間たちよ、ありがとう。わたしはマリオンとともに生きる。静かな大喝采をありがとう。