懐かしの時間が詰まる道なれば [2013年10月11日(Fri)]
以前通った道を歩いた。通勤の道。狭かった道路が拡張されて歩道は広く滑らかで歩きやすい。毎日通ったこの道であのころ何を考えていたものやら。仕事のこと、家族のこと、地域活動のこと、友人のこと、時事や世間一般のことあれこれ。困ったことの対処法、過去のこと、空想だってある。あの辺りで雪の日に滑りそうになったな、あそこで知り合いと出会って長話したなと思い出す。
しかし膨大な時間のほとんどは記憶の底に沈み、頭と体を通り過ぎて跡形もない。何年もの歳月があっという間に過ぎてしまったかのようだ。 沈んで跡形もなくなったわけではない。あっという間ではない。一日一日が積み重なり、一日24時間は1分1分の集積である。膨大な時間はわたし自身が経験し命に刻み付けてきたものに違いない。後悔もある、楽しみもあった、希望ももった。過去は未来への肥やし、未来は現在の結果。ならば今をみとめよう。過去は今に生きることを忘れまい。 (写真はザクロの実。透明なルビー色で明かりを照り返してキラキラしている。過去を思い返すときのように、酸っぱくも甘い) |