秋深し鼕の行列楽しんで [2013年10月02日(Wed)]
冠に「鼓」、脚部分に「冬」と書いて『鼕』。「どう」と読む。鼕行列は松江の秋の風物詩である。屋根付きの山車屋台に五、六尺(1.6m〜1.8m)の巨大太鼓の鼕を乗せて、バチさばきの打ち方を中心に、横笛や銅拍子の囃しで打ち鳴らし、老若男女が綱を引く。町内会ごとに先頭に幟を立てて賑やかに行列が進んでいく。
松平の殿様が正月に神を呼ぶために鼓を打ち鳴らしたことに由来するといい、大正天皇の即位大典で大がかりになり、昭和34年から毎年行われている。 「踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らにゃ損々」とは、阿波踊りのフレーズであるが、松江の鼕はそれほど熱狂する祭りではない。単に見物するよりはリズムを合わせて叩きたくなってくる不思議な祭りだ。 以前はもう秋も深まる晩秋の11月に行われていたが今は10月。「冬の鼓」という文字には似つかわしくない。まっそれもよかろう。夕方になると、鼕を叩く練習の音が市内のあちこちから聞こえてくる。 |