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ドラえもん勧善でなく阿吽かな [2013年03月27日(Wed)]

__tn_20130327202123.jpg壮大な世界観を期待していた。単純な勧善懲悪とは違う悪との関わりかたを期待していた。テーマは、諦めなければ必ず夢はかなう、どんなダメ人間でもどこかに取り柄はあるというものだった。残念ながら、構想力はいま一つ、画面の立体感や鮮やかさも感じられなくて退屈だった。劇場内は親子連れで一杯で、小さな子どもが喜んで観る映画に世界観を期待するのがそもそもの間違いだったのかもしれない。

映画『ドラえもん』は「のび太のひみつ道具博物館」でもって、観客動員数が1億人を超えたという。私もその一員となったわけだが、もう1つ気がついたのはハイ・コンテクスト。言葉にあえて表わさなくても阿吽の呼吸で理解し合える集団や間柄のことであり、それを前提とした文化のことだ。

のび太は不思議に思っていた。ドラえもんが首に着けている古ぼけた鈴。盗まれたそれを必死で探すドラえもんのことを不審に思っていた。が、のび太は気がついた。二人が信頼し合うきっかけになった記念の品として、ドラえもんが何よりも大切にしていたものであることを。察し合う二人の友情はさらに深まったのだった。のび太とドラえもん。分かりあえるハイ・コンテクストな関係だ。

映画ドラえもんは1980年から30年も続いてきたヒットシリーズだ。すでに寅さんシリーズと同様に国民的な存在と言えるのかもしれない。言わなくても分かりあえる、説明を要さずにドラえもんのことは理解できるという人が多くなっているのかもしれない。ドラえもんは日本人にとってハイ・コンテクストな存在だ。