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山や家ひかりの地球に彩られ [2013年03月20日(Wed)]

__tn_20130320230423.jpg宍道湖畔・島根県立美術館で『須田国太郎展 没後50年に顧みる』にひたってきた。茶と緑を主軸にしたアースカラーをベースにした絵の数々。人が暮らす原風景を表現した山々と家々。夕日や朝日に照らされた季節ごとの風景、穏やかな色に抱かれた動植物の絵を観ていると、疲れた目が癒えて安らぎを感じることができる。

『犬』はこの展覧会のポスターにも使われているテーマ絵である。30号の比較的大きな絵だ。全身黒い犬。耳は大きく広がりポニーテールのように可愛らしい。ところが目だけは赤茶で小さい、どこか不思議な感じを醸し出す。バックには古い家並みが続き、屋根は緑に塗られている。骨太の木製の額に囲まれたこの絵。目も屋根も額もアースカラーに彩られている。

植物、なかでも赤い花が登場するのが面白い。『紅薔薇』や『庭花』も使われているのは、紅ではなく茶に近い赤。すべての絵に赤茶が使われているのではないかと思う。信濃の山々を描いた一連の絵が好きだ。特に『夏の夕』は、夕方の柔らかい光が映えてアースカラーで安らぐ絵である。どの絵にも共通するが、近づいて目を皿のようにして鑑賞するよりは、離れたところから眺めるほうが絵に明るさと力強さを感じることができる。

≪前景から中景を深い影で覆い、遠近の境界を闇に溶かすように描く反面、遠景の山並みを光の中に露出させる方法をとる。遠景の山は幻影の現出のように感じられ、絵を見る我々を須田独自の絵画空間へと誘う≫ そのように須田の風景画の特長を説明書きは述べていた。

『アーヴィラ』はスペインの田舎町の光景だ。残照の丘の教会から斜面に石造りの家並み。夕日に照らされた明るい茶。日の差さない影には濃い茶が塗り込められている。須田画伯は28才のときにスペインに渡りマドリードのプラド美術館で模写修行。スペイン各地では風景を描き、そこを起点にヨーロッパ各地で学ぶなかで、スペイン各地で風景を描いたということだから、アーヴィラはその頃の絵であろう。若々しい絵でもある。『カスティリアの山村』も同様に私のお気に入りとなった。壮年期の後期には、隠岐や浜田、鳥取の村々を同じような明るい茶や緑で豊かに描いた。

≪不安定な政治情勢や経済的な行き詰まりのなかにあって、自然や人間の本質を真摯に追求した須田国太郎の絵画は、ますます多くの人びとの心にしみわたり、ときに安らぎを与え、いよいよその芸術的な価値を現していく≫ 「自然や人間の本質を真摯に追求」する須田が、描き出すアースカラーが「人びとの心にしみわたり、ときに安らぎを与え」る。まさにそのとおりだと思う。この人の絵を室内に飾ったならば、決して飽きることはないだろう。安らぎと挑戦の息吹を与えてくれる宝ものとなるのではなかろうか。