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非常識超えたる世界目に狂気 [2012年11月29日(Thu)]

__tn_20121129213507.jpg若者の静かな狂気に恐怖しながら、この暗い映画をじっと見た。怖い、スクリーンの全面から恐ろしさが漂ってきた。かといって、映画『タクシードライバー』は、ホラーやサイコサスペンスというわけではない。緊張感に満ちていると言ったらいいように思う。ごく若いロバート・デ・ニーロの演技は、その目や雰囲気から狂気を撒き散らしていた。

元海兵隊員のトラヴィスは不眠症。タクシードライバーとなって働き詰めとなって、ひたすら金を貯めた。彼はニューヨークの退廃ぶりに怒り嫌悪し、それを浄化したいとまで思っていた。一方で、大統領候補の選挙事務所に勤める美女に惹かれる。彼は彼女をデートに誘うことに成功するが、あまりの潔癖さと執拗さから彼女に恐れられ嫌われる。それをきっかけにして、彼の浄化作戦は始まった。

トラヴィスはわずか数分であれだけの人間を殺した。しかも大統領候補の暗殺に失敗した腹いせのようにして、少女売春宿のチンピラどもに襲いかかり、殺人鬼となって殺した。彼は逮捕されてのち、受けた傷が癒えると直ちに仕事に復帰していた。おそらく、家出少女を更正させるべく悪の巣窟に単身乗り込んだ若者は正義の味方、という物語によって陪審員は踊らされたのだと思う。彼はヒーローとして賞賛され世の注目を浴びた。

ところが彼は変わった。あれだけの狂気をたぎらせていたのに、目は静かに穏やかになっていた。狂気は消えた、まるで憑き物が落ちてしまったかのように。その大きな振幅にもわたしは恐怖する。活火山が突然マグマを噴出させてふもとの人々を襲うように、やがて彼もストレスが高じたときに、あの狂気を噴き出すときが再びくるのではないかと恐れるのである。

選挙事務所の美女は、彼のストーカー行為から逃げまくっていたにもかかわらず、彼がヒーローになってのちは彼を許すばかりか、憧れの目で彼を眺めているという展開が信じられなかった。そこまで有名人はモテるのか。わたしは嫌悪感を抱いたけれど、映画全体としてはトラヴィスの日記や手紙を独白する形で物語をリードさせていたので、実に安定感があった。しかし、人間の恐ろしさが身にしみた。