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瓦礫とは大切なものの代名詞 [2012年09月18日(Tue)]

__tn_20120918205621.jpg瓦礫(がれき)とは文字どおり、瓦と小石。破壊された建造物の破片などを意味し、さらに、値うちのないもの、つまらないものの例えでもある(web大辞泉)。

数千万トンといわれる大震災被災地にある瓦礫。当地に処理施設の建設が進み、他の地域でも広域的な協力が少しずつ進行する。放射性物質に対する極度の不安から強硬に反対する人びともいるようであるが、北九州市でも焼却処理が始まった。

「瓦礫」とはなんとも無機質で冷たくて人間味を感じない物言いだが、瓦礫になる前をよく考えてみたい。長いローンを組んでお父さんが必死に働いた家も瓦礫となった。ホームセンターで買ってきた材料で一段一段家族が積んだ花壇の煉瓦も瓦礫。お母さんが子供と楽しんだオセロゲームも、父と子がキャッチボールで心を通わせたグローブも、心のこもった挨拶状もラブレターも瓦礫となった。津波に飲まれて海水と泥にまみれて、跡形もなく大切なものが形を失ってしまったのだ。

もう再生はできない。同じものを買い替えても作り直しても、思い出の詰まった「瓦礫」は元に戻らない。経済的には価値はないかもしれないが、特に亡くなられた方の品々であれば、瓦礫状態であっても遺族は取り戻したいと考えていることだろう。大切な人が大事にして魂魄をとどめた「その品」を瓦礫と呼んでたまるか、という気持ちであるにちがいない。

大震災で亡くなられた遺族のことばかりではない。愛するひとが亡くなられて遺された人びと。残された遺品の数々は、物故者を知らない者にとってはただの「つまらない物」であるかもしれないが、彼や彼女のことを大切に思う人びとにとっては、かけがえのない品々だと思う。

ただの物品、汚れた瓦礫だと思うなかれ。物には使った人の思い出と過去と気持ちが詰まっている。