段取りをとらえて命長らえて [2012年08月14日(Tue)]
段取り力向上研修を先日受講した。講師は株式会社行政マネジメント研究所の中村講師。肝に命ずべきは講義でも紹介されたこの格言であろう。
「時間こそは最もユニークで、しかも最も乏しい資源である」 ピーター・ドラッカー つかみどころがなく、ボヤッとしていればたちまちに過ぎてしまう「時間」を改めて考える機会になった。配られたテキストにはこうある。≪"右肩下がりの自治体経営の時代"には、戦略的思考に基づく政策選択と効率的な政策執行が求められ、これらを可能とするのが"行政マネジメント技術"である≫と。 人口減少⇒職員減少、年齢構成比の変化⇒経営資源(人、もの、金)の減少。右肩下がりのこの時代に経営資源の選択と集中をしようとしてカリカリし過ぎると、心身不調をきたす者が増えることは自明だ。かといって効果的マネジメントを管理者が放棄するわけにはいかない。各担当レベルにおいても効率を上げずして、求められる財やサービスを手広く提供しようとし続ければいずれ破綻する。 講師は、従来のリアクション型職員(問題発生時や指示に対して適切に行動する)から、プロアクティブ型職員(自発的に先々を考えて事前に対策を講じる)へのシフトが大切だと言われた。これはメンタル面でも重要なことで、自身のワークライフバランスを適切にし良好なライフマネジメントを自己学習する態度にもつながることだと。 タイムマネジメントとは、「仕事を管理すること」で、そもそも仕事とは、目的達成のためにその結果を利用する人の要求機能を満足させようとする行為と定義される。そして仕事管理のキーワードは次の5つ。 1 目的/はっきりさせないとゴールを見誤る。見誤ったためのやり直しは時間の無駄 2 締切/締切が中・長期にわたる場合は中間地点での締切を自ら設定。仕事とは自分の時間を売り命を削る、人生には終わりがあると心得よ。時は金なりではなく、時は命なり 3 優先順位/重要度と緊急度で判断するが、重要度が高い仕事は困難なことが多く、人はえてして簡単なものから着手してしまう。パレートの法則を意識すべし(2割の重要な仕事をこなせば8割の成果を達成) 4 所要時間/まず着手してみて5分で全体像を把握し、所要時間の見積りを計るクセを 5 量と質のバランス/両者は相反するが、質を追求するとはいかに早く正確に楽にやるかということ そうした仕事管理の行く末に見えるものは、「強き者や賢き者が勝ち残るのではない。変化できる者が勝ち残る」という有名な格言(ダーウィンが述べたと後世に創作)。それに加えてテキストは、「未来に合わせて、他者から学び続けた者だけが…日々是学、日々是新」という言葉で締めくくった。だが人は流されやすい、心していかなければならない。流される人の思考的習慣は次のとおり。 1 できる方法よりも「できない理由」を考える 2 「誰が言ったか」を優先する 3 これからよりも「今まで」を重視 4 全体最適よりも「部分最適」を重視 5 まだ○年もあるでなく「もうあと○年」を強調する。 どちらかといえば保守的で流される層は年配者に多い。ではそれらが退職したら組織は刷新されるかといえばそうではなく、次々と予備軍が流される層に変化していくという。働きアリのうち怠けアリを排除しても同じ割合で新たに怠けアリが生じる「働きアリの法則」を思い出した。 流されないためには、「時間を見える化」することが重要。一日の始まりに毎日計画を書き表すべきだという。たとえ「今日もこれだけしかできなかった」と落胆することが続いたとしても、継続によって業務改善ができタイムマネジメントが向上する。仕事を何十年も続けて見えるものがある一方で、習慣という手垢によって見えなくなってしまったものもある。仕事の手順を考えて改善して見直して再び実行するというPDCAサイクルを実践しなければならないと改めて思う。まずは朝に「今日やることメモ」を書き出していこう。 |