三点で支える。
椅子の足は三本あれば十分に支えられる。むしろ四本あると不安定になるときがある。逆立ちも頭を地面に当てれば安定する。手指で物を持つとき三本の指、力の強い親指、人差し指、中指の三本で支えれば安定する。体が不自由になったとき杖を用いれば三本目の足として立つのに安心できる。階段を上がり下りするとき手すりを使えば楽チンだ。
だのに、なぜ物を持つとき四本の指を、さらに小指も使って五本を使うのか。安定して抜けて落ちたりしないようにという理由もあるが、持ち換えるときに安定させるという意味があるのだろう。
片手でスマホを操作する。指先を伸ばすとき持ち換えが必要なときがある。そのとき三本しか指がなければ持ち換えに不便だ。そもそも大きなスマホを二本で支えて操作することは無理だ。持ち替えるときに一時的に二本で支えるとなると落とすかもしれない。だから妖怪人間ベムには片手でスマホはいじれない。
梯子の上がり下りにも手足合わせて四本が必要だ。片足を離して体を移動させるとき手を二本添えるようにしておけば、もう一本の足と合わせて三本となって安定する。いつも三点で支えるようにすれば、誤って転落する確率は相当低くなる。
まっ、ゆっくりと何ごとも慎重にやるようにすれば転んだり落ちたりはしない。だがなかなか余裕をなくしてしまって急いでしまうのが油断の元なのだ。