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もしドラと通じるイノベ新しき [2011年11月23日(Wed)]

20111123163234.jpg勤労をし雇用されるということは、金で買われることなんだなあ、と感じさせる映画だった。プロの野球選手はゼネラルマネージャー(GM)の腹ひとつで、シーズン途中であっても放出され、他チームの選手と、まさに現金なやりとりの対象となる。金で人間そのものを買われるわけではなく技術を買われているのではあるが、所詮人間と技術とは密接不可分である。一般の勤労者であったとしても、働かざるもの食うべからず、貢献せずして収入なしという言葉が頭の中を巡った。

P.F.ドラッカーは「イノベーションとは新しい価値を創出すること」と表現した。映画『マネーボール』のなかで、オークランド・アスレチックスGMのビーン(ブラッド・ピット)と補佐のピーターは野球にイノベーションを巻き起こした。イノベーションとは、経済活動や技術開発にとどまらず、新しい考え方をもとに従来の価値観を転換することによって組織や社会を変えていくことである。

ふたりが起こした抜本的な改革とは、打率やホームランなど評価は低くても出塁率の高い選手を、低い年俸で獲得し高い成果を得るデータ野球によって、勝利の確率を高めることだ。出塁率を価値あるものとする考え方は、当時(とはいってもほんの9年前だ)、幅をきかせていた旧来勢力とは決定的に対立した。かといって貧乏球団に選択の余地はない。いい選手が資金の豊富なチームに横取りされて、実力は資金力に比例するだけであっては野球に夢がなくなる。極めて孤独ななかに、ふたりのチームづくりが始まった。

しかし、シーズン初頭かつてないほど不振に陥り、アスレチックスは最下位を低迷した。監督は新しい戦略を理解せず、旧来の選手起用にこだわる。そこでビーンは有無を言わせず権限を行使した。データに加えて、チームの負け犬ムードに活を入れ、自分の勘に進退を賭けて大きなトレードに出た。さらに選手の強みをそれぞれデータで納得させ、攻めるポイントを説き続けた。力の落ちたベテラン選手にはチームリーダーとしての牽引力で応えさせた。

契約に基づく役割ということを考えさせられた。球団オーナーは資金を出してGMに全権を委任する。GMはオーナーから示された予算の範囲内でチームの骨格を作る。実際の指揮をとり勝利へ導くのは監督。GMとはチームの負けが込めば責任を問われ、連戦連勝のときがきても歓喜の渦からは少し離れたところにいる孤独な存在だ。先日ソフトバンクが優勝したときに、GMたる王貞治球団会長が選手たちの喜びの輪に入らずにいたことを思い出した。

アスレチックスはまだワールドシリーズ優勝を果たしていないとのこと。他チームのGMとして高額条件を提示されたこともあるが、今もビーン氏はアスレチックスでその夢を果たすべく奮闘しているというキャプションがあった。すがすがしい映画であった。ベストセラー「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」を思い出して胸が熱くなった。