世につれて言葉は動き人口に [2011年09月29日(Thu)]
9月15日に文化庁から発表された「平成22年度国語に関する世論調査」。毎回注目を集める。客体は全国16歳以上の男女で、回収2千人あまりの面接調査である。
「言葉や言葉の使い方について,どの程度関心があるか」という問いでは、「非常に関心がある」20%と「ある程度関心がある」61%を合わせて81%となっており、関心がないを圧倒している。どの世代でもまんべんなく言葉に関心がもたれ、回を重ねるごとに「関心がある」層が増えているのは、メールやソーシャルネットワーク、ブログなど電子媒体を使った情報発信が盛んなことの証しと推測する。 「ら」を抜く「れる」を使うか、「られる」を使うか、という面では「ら抜き」が「ら入れ」に拮抗するようになった。尊敬の「られる」との混同を避ける意味もあるし、より短く簡潔にという流れもある。「ら抜き」はいずれ標準となるのだろう。 今回は新たに、形容詞の語幹が促音便で縮まる言い方に違和感があるかどうかという項目が加わった。もはや、「寒っ。」というのは(私にとっても)、「自分も使い,他人が言うのも気にならない」63%と、ごく普通の言い回しとなった。 言葉の使い方の間違いについては、不正解が私にも多かった。備忘録としてあげておく。正解はすべて(a)。 【外は雨模様だ】 a 雨が降りそうな様子 b 小雨が降ったりやんだりしている様子 *ずっと間違って憶えていた(トホホ・・・) 【姑息な手段】 a 一時しのぎの手段 b 卑怯な手段 *「小癪(こしゃく)な奴」からきた勘違いだろうか。 【学生はすべからく勉学に励むべき】 a 学生は「当然,是非とも」勉学に励むべき b 学生は「すべて」勉学に励むべき *「すべからく」と「すべて」は音が似ている。 【悲しみの余り,号泣した】 a 大声を上げて泣く b 激しく泣く *大声を上げて泣くことは、激しく泣くことだと思うのだが…。 《することや話題がなくなって,時間をもて余すこと》を何という? a 間が持てない b 間が持たない 《古くからのやり方にのっとった様子》のことを? a 古式ゆかしく b 古式豊かに 《僅かの時間も無駄にしない様子》のことを? a 寸暇を惜しんで b 寸暇を惜しまず *「骨身を惜しまず」からきた間違いだろう。 《大きな声を出す》ことを? a 声を荒(あら)らげる b 声を荒(あ)らげる *正答率11%。全く知らなかった。 《前に負けた相手に勝つ》ことを? a 雪辱を果たす b 雪辱を晴らす *「屈辱」は晴らすものだが、「辱め(はずかしめ)は雪(すす)いで」、名誉挽回を果たすもの。 |