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ベアーズは熊の子ならず野球の子 [2013年02月10日(Sun)]

__tn_20130210063455.jpg1970年代半ばの映画『がんばれ!ベアーズ』を観て、今の日本スポーツ界を震撼させている暴力問題のことを考えた。アメリカ型経営とかつての日本式経営を比べてみるきっかけにもなる。

生まれたばかりの少年野球の弱小チーム・ベアーズだったが、やる気はないルールも知らない体力はない経済力もないと、ないない尽くしのチームで、しかも監督は飲んだくれの元三流プロ選手。誰も期待していない。この映画、なんと原題は『The Bad news Bears』。シリアス過ぎて目も当てられないから「がんばれ!」と日本語題をつけたのだろう。それでも野球をやりたいという彼らの願望を見てとった監督はコーチを始める。

リーグの初戦は強豪ヤンキースとの対戦。一回表で26対0という屈辱的な放棄試合を経験した彼らは、もうやめた解散だと多数決で決める。それを知らされた監督はそんな民主的手法は認めず、遮二無二少年たちを練習に強要する。補強もした。ピッチングに長けた元恋人の娘をチームに引き込み、名うてのワルだが肩が抜群にいい長距離ヒッターも獲得した。勝ちたいという気持ちに加え地道な練習が効を奏したか、ゴミ扱いされていたシーズン始めとはうってかわって優勝を決めるトーナメント戦で決勝まで勝ち残る。相手はあのヤンキース。

ヤンキースの監督は、手こそ出さないが言葉と権力で子供たちを縛っている。失敗したら罰を与え、徹底的に罵るのである。子供たちは恐怖によって支配されていた。この点暴力とパワハラでオリンピックチームをまとめようとした元柔道監督に似ている。恐怖政治であると同時にアメリカ型の経営手法でもある。成果を上げた者には褒美を与え、監督の命令に背いたりエラーした者には罰を与えるというやり方だ。

試合に勝ち優勝するためにヤンキース監督は太っちょバッターの敬遠を指示したが、ピッチャー君は勝負した。背いた少年を監督は殴った。そしてピッチャー君は反逆しベアーズにわざと点を与え、その場でチームを去った。個人が屹立した、さすがにアメリカ人だと思う。

ベアーズの監督は、初期の動機づけとして強い言葉で強制したが、最後の決勝戦は全員野球を貫いた。勝利至上主義ではなく、野球ひいてはスポーツとは楽しむため、成長するためだという原点を確認したのだろう。ヤンキース監督の姿を見ての自省もあったのかもしれない。

リーグ戦の初期に遡って、数試合目に惜しくも負けて、エラーをした少年少年を責めるチームメイトに監督は、負けたのはチーム全員の責任、勝ったとしたらチームの誉れという意味のことを述べて子供たちを教育したのが印象的だった。チームスポーツに限らず、個人競技にあっても、一人は皆のために皆は一人のためにというスポーツマンシップは、遠回りのようであっても自身を利していく。情けは人のためならずの諺のとおり(本来の意味の)である。恐怖による動機づけでなく、自主性を育む動機づけが、スポーツにも仕事一般にも必要なのだ。メンタル面を築く高い指導技術が不可欠なのだ。

(写真は春の牡丹。まさに咲かんとしている)
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