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戦争と母の愛とがクロスして [2012年07月09日(Mon)]

__tn_20120709222438.jpg名画『禁じられた遊び』を観た。少年期にさしかかったミッシェルと幼いポレットの淡い恋物語であり、死というものを人間はどのように認識していくのかという成長物語でもある。当時すでに都会ではカトリックの信仰は形骸化していたようで、ポレットは神へ祈りをささげた経験がなかったばかりか、キリスト像すら見たことがなかった。

死との出会いを仲立ちしたのが十字架である。その十字架で墓づくりのママゴトを楽しむ幼い二人。動物や昆虫、鳥の死骸を水車小屋に埋めて、覚えたばかりのお祈りで弔ってやる。それはポレットにとって単なる遊びではなく、始めて体験する信仰であり、美に至るための階段であり、過去と未来がクロスして母の行く先を示す道筋であり、母の死という恐ろしい現実から逃れるために必要なことだったのだ。

お手製の十字架をつくっているうちはよかったが、ポレットの十字架好きはエスカレートした。応えるべくミッシェルも「禁断の遊び」に手を染める。これが許されるわけがない。

ミッシェルの父は存在感たっぷりだった。小規模牧畜の農場主として7人家族を仕切り、霊柩の荷車まで自家製でやりくりする。都会対田舎の図式で観ると、彼はとても都会を憎んでいたと思う。

都会は厄災のもとだ。田舎で静かに暮らしていたいのに、パリの政治家は戦争を始め、都会からは軍隊がやってきて生活を脅かす。しかも仏軍は独軍に攻められっぱなしで色がない。長男が馬の事故で死んだのも都会からやってきた避難民のせいだ。大嫌いな燐家の野郎が軍隊から帰ってきて自分の長女とできてしまったのも災難だ。下の娘は都会のインテリのように本ばかり読んで燃料をムダにする。次男は都会にあこがれて仕事に身が入りゃしない。ミッシェルはあの嬢ちゃんが来てからというものは、十字架ばかりこしらえてあげくは盗みまでやらかす。そもそも小ぎれいな都会っ子を預かったのが間違いだった。両親が機銃掃射で死んだというので家に入れたはいいけれど、何もいいことがない。孤児な どさっさと政府に渡してしまって静かな生活に戻りたい。

ラストシーンが悲しい。ミッシェルから引き離されてポレットは施設に引き取られるため駅に連れて行かれた。「ミッシェル!」と呼ぶ他人の声、それとママが重なった。彼女が無意識にも封印してきた母の死という現実が蘇り、母への思慕で堪えがたく心がゆれる。ポレットは駆けだし雑踏に消えたところで物語は終わる。ハッピーエンドではない。名手ナルシソ・イエペスのギターソロが重なって切なさに胸がつまる。
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