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汚れなき神のイタズラ無常なり [2012年07月04日(Wed)]

__tn_20120704173344.jpg映画『汚れなき悪戯』はキリストの神を讚美している、一見すると。しかし、痛烈な皮肉があるように思えた。気紛れな神への抗議である。

修道院前で拾われた日、聖マルセリーノにちなんで名づけられた赤ちゃん。よく泣く元気な彼を修道僧たちは可愛がり育てた。イタズラはしても、あどけなく周囲を幸せにするマルセリーノ。クリクリッとしたいたいけな目で人を魅了する。

修道僧の数が12人。キリストの側近だった十二使徒に奇しくも一致し、神の悪戯心は刺激されたのだった。屋根裏部屋に忘れ去られていたキリスト像。神はそのひどい処遇に怒っていたこともあろう。

愛すべきマルセリーノは寂しい。逢ったことのない母親を求めていたところに、降臨した神と出会った。神は奇跡を演じ、マルセリーノの話し相手となった。しかし、福音の代償は死という厳しいものだった。周囲は神に召されたと解釈した。無理もない。母の愛を知らない汚れなきマルセリーノだったから。

天の母を求めぬいたマルセリーノの願いを叶えたキリスト。なんという短絡的な望みの叶えかただろう。神の悪戯といわずして、何と言おうか。

有名な「マルセリーノの歌」。哀愁をおびつつも朗らかにな歌だ。天衣無縫なマルセリーノ。高い天に召された母への汚れなき愛情。澄んで千差万別の雲と空の表情を映し出すカメラワーク。白黒ではあったが、ピレネー山脈に広がる抜けるような青い空、無限に広がるマルセリーノの空が幾度も画面に登場した。

(写真は青空のもとピンクのキョウチクトウ)
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