めぐり逢う人と別れて悲しけれ [2019年07月21日(Sun)]
感謝状が授与されても拍手はない。授与される当の君に代わって、失意の奥さまが受け取られた。悲しくて酷い、島根県知事からの感謝状。今となっては空しいが、君が職員として全力で生きた軌跡。偉大な価値がある。
君はもういない。最近撮ったものだろうか。集合写真から切り取った遺影。迫りくる病魔に負けまいと歯を食い縛り、口角を懸命に上げているように見える。 式前に流れるBGMはアンドレ・ギャニオンのピアノ曲「めぐり逢い」。君は多くの人とめぐり逢った。わたしとも出会ってくれて、ともに仕事をしたことに感謝の気持ちが湧く。悲しい旋律が肺腑をえぐる。それでいて安らかになる優しいピアノの音色。 君は喜怒哀楽すべての想い出を抱えて今世を去る。生命は宇宙に溶け込んで縁をもって再び生をなす、という永遠の生命論からすれば、君はいずれ誰かとめぐり逢う。どうか、君よ幸せであってくれ。 |