家と冢二つ並んで分けられぬ [2019年07月05日(Fri)]
【塚】という字が気になった。墓である。土を盛り上げて墓標とする。転じて、土が小高く盛り上がっている場所や目印のために土を高く盛り上げたものをさす。古墳は両者の意味を兼ねる。古代豪族の墓であり、かつ一族の権力を誇示する象徴となった。
左の「土」は、土地の神を祭る為に柱状に固めた土の象形だという。右の「冢」は、人が腕を伸ばして抱えこんだ象形と足を縛った豚の象形。生けにえの豚を供えたわけだ。 【冢】と【家】は似ている。部首のひら冠、う冠の違いである。家には煙抜きの煙突がある。大きな家や2階建てのない昔は、遠くから見るときっと人家と塚の区別がつきにくかったのだろう。煙突らしい棒が立っているのが【家】。無いのが【塚】というわけだ(これは私の想像)。生きているうちは家におり、死んだら塚(冢)に入る。入るのはおんなじようなものだ。 東京に来ている。東京にも【塚】がある。京王線の笹塚駅、丸ノ内線の新大塚駅など。どんな塚があったのだろうか(^o^;) (高度九千メートルを超える空、若狭湾上空。大雨を九州にもたらした梅雨前線を避けて、きのうはいつもと違う飛行ルートを通った) |