握手して並んで歩く親と子よ [2018年06月13日(Wed)]
握手する。手を触れんばかりの距離で並んで歩く。さあ部屋へどうぞお先に、と背中や腕にボディタッチする。親密度が高まるほどに、人間同士の物理的距離は縮まる。
南北首脳会談の時のような満面の笑み、青年らしい涼やかな笑顔というわけにはいかなかったが、親子以上に年齢が離れていることを考えると、戸惑いの表情にも納得がいく。史上初の米朝首脳会談に世界が注目した。 北は米から譲歩を引き出すだけで、自らは変える意思を持たないなどとする論調もあるが、素直に一歩前進を喜びたい。一歩ではない。面と向かって言葉を交わし、握手して体温を感じる。相手方にも血が流れており、情が移るのを感じる。互いが同じ人間だということを思い知る。あの東西冷戦の終結も、コルバチョフとレーガンの対話から始まったのだ。 休戦から恒久和平の道へ。4月末の南北首脳会談でもって潮流が動き始めた。今回の金・トランプ会談が朝鮮半島の非核化に向けて大きく前進したのは間違いない。 コミュニケーションとは、時に反対の動きを見せることがある。人間同士の憎しみが極まるとき、パンチは相手の頬をえぐりナイフは内臓を切り裂く。米朝の仲が可愛さ余って憎さ百倍にならないよう祈っている。 (薊(アザミ)の花は欺かない。葉にトゲを持っていても、相手をまやかして謀ることなどしない。正直にありのままを見よ!と凛凛しい。権謀術数のディールなどしない) |