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モノクロは温かいのかホラーなのか [2017年10月24日(Tue)]

fumihouse-2017-10-24T21_26_36-1-thumbnail2.jpgホラーのような曲調で始まったモノクロ映画。黒澤監督らしい陰翳のはっきりした画面から、時代への批判精神にあわせて、恵まれない人々への温かい目が感じられました。麻薬取締法以前には覚醒剤中毒者の巣窟があったと聞いたことがありますが、捜査に入った刑事にヤクをくれっと迫る様子はゾンビそのものでした。

完全犯罪を目論む貧乏研修医の竹内(山崎努)は、綿密に抜かりなく金持ち権藤(三船敏郎)を追いつめます。極秘に動いた警察も戸倉警部(仲代達也)を中心に憶測で動くのではなく、膨大な捜査対象を綿密につぶしていきます。その両者を支えてサスペンスを面白くするのが綿密なる脚本でした。加えて壮大な人間ドラマを描くのです。

人命か金か、人道か権力か、葛藤が描かれます。権藤と妻(香川京子)との葛藤、人違いで誘拐された子の親・青木と権藤との葛藤、権藤とナショナル・シューズ重役たちとの葛藤や対立、警部と見えない誘拐犯との対決・・・見応えのある展開です。最終場面で竹内の死刑が確定します。権藤に面会した竹内は不敵な笑みを浮かべて語ります。やがて権藤邸を天国に見たて、自分は地獄の側で嫉妬の火を燃やしたことを述懐するのです。突然竹内が金網に掴みかかり絶叫したシーンは圧巻でした。

映画『天国と地獄』は白黒なのですが、唯一色がありました。身代金を運搬した鞄が燃やされてピンクの煙が出る、そこだけフィルムを着色してあったのです。事件解決の糸口となったシーンを劇的にするために全体をモノクロにしたのでしょう。

令夫人の香川京子が美しいマダムを演じました。シーンごとに衣装がかわります。着物姿が2回、ワンピース1回、ノースリーブのワンピースが1回、純白(たぶん)のブラウス姿が1回。カラーだったらもっと目を引かれたと思います。グレース・ケリーがヒッチコックの『裏窓』で見せた華麗な衣装、品があって端正なたたずまいを思い出しました。

同時に思い浮かべたのです、高校の同級生のことを。先日の同窓会では出席がかなわなかったものの、細身で背が高く、静かで優美な雰囲気をたたえた在学中の彼女を思い出しました。年を重ねて今会ってみたいと思ったのでした。

(モノクロ映画を思わせる落ち着いた色調の照明。蔵カフェおもひで屋の店内は温かみがたっぷりある)
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