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青に灰写実の青樹ここにあり [2017年07月17日(Mon)]

fumihouse-2017-07-17T22_25_48-1-thumbnail2.jpg『小茂田青樹』展を島根県立美術館で鑑賞した。小茂田青樹は日本画の大家だが、昭和8年(1933年)に41歳で亡くなっただけに、長生きしていたら違う作風も楽しめただろう。旧来の枠にとらわれない日本画の制作に取り組んだ人だそうだ。前半は堅牢で写実的、後半はデザイン装飾的な作品が多いように思う。

私のお気に入りは、松江滞在時代に恵曇漁港を描いた「出雲江角港」である。今は東京国立近代美術館に所蔵されている。

おそらく早朝の港町。曇った空ではあるが、雲間から光が注いでおり冬は過ぎたようだ。草木の緑はまだ浅く、朝靄がかかっている。家々の瓦は石州産で多くは鮮やかな赤瓦。家屋は立派なものばかりで、白壁と土壁が重厚だ。屋根の向こうには湾が見える。対岸の山裾と接する海面はエメラルドグリーン(翡翠色)に輝き、見事な対比をなしている。北山の稜線は薄緑と土色のアースカラーで柔らかだ。暗い冬は終わった、希望の春だ。帆掛け船も沖に向かっている。そんな漁村の喜びが伝わってくる。左には急斜面の段々畑。何かがすでに植えられている。右手には松の巨木。画の構成は三角形が基調となって安定感に満ちている。

今や写真とコンピュータ作画全盛の時代ではあるが、人間の観察眼をもとに、身体を用いた絵画というものの魅力は衰えない。展覧会に行った人たちは、情趣が豊かで透明感のある色彩に惹かれ、繊細な描線から対象に向けられた作者の内面までも感じ取るに違いない。

(野の花の野趣もなかなかのもの。さりげない美がある)
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