徒然によしなしごとを書きつつも [2015年08月14日(Fri)]
ひさびさに徒然草を読んでみた。第七十九段が面白い。生半可なものを見せびらかしがちな日常を反省する。
何事も入りたゝぬさましたるぞよき(何事も素人のようにやりすごすのがよろしい) よき人は、知りたる事とて、さのみ知り顔にやは言ふ(教養のある人は知っていることでも、さほど得意げな顔はしない) 片田舎よりさし出でたる人こそ、万の道に心得たるよしのさしいらへはすれ(片田舎の無教養人ほど、万事心得て知ったかぶりをする) されば、世に恥づかしきかたもあれど、自らもいみじと思へる気色、かたくななり(こちらが恥ずかしくなるような人もいて、自分をすごいと思っているのは見苦しい) よくわきまへたる道には、必ず口重く、問はぬ限りは言はぬこそ、いみじけれ(質問されない限り、黙っているのがよろしい) さすがに吉田兼好。700年の時を隔てても、粋な人の本質を語ってくれる。 (今日は秋の七草の第三段。この花びらで子を撫でるなら気持ちよさげに眠ってしまうナデシコの花) |