仁万の浜ほたほた歩いて夏の夕 [2015年05月28日(Thu)]
静かな夕方。夕景にはまだ遠い時間だが、今夕は雲に影って太陽が穏やかだ。鳥たちはかまびすしく、春のさえずりを謳歌している。賑やかなのに静かだ。
不如帰(ホトトギス)は林にあって5音節の音で主張する。わたしには「ホトトギース」と聞こえる。時鳥、不如帰、子規などいろんな漢字が当たる面白い鳥。卵は鶯(ウグイス)に孵してもらうというズルいやつ。 鶯は不如帰並みに声高らかに鳴く。見たことはナクテモ、その鳴き声を知らない者はない果報者。 燕(ツバメ)は泥と藁で巣作りに余念なし。機嫌のよい人間の赤子が笑うように朗らかに鳴く。来月になったら、頂戴ちょうだいと顔を出す雛がますます賑やかだ。 烏(カラス)は不気味に羽ばたいて、威嚇するよに鳴いている。一音節ならカー、二音節ならアホーと聞こえてバカにされた感じ。 鴎(カモメ)が群れて飛んでいる。高く羽ばたき仲間呼ぶ。行く手に何のエサあるや? 雀(スズメ)はいつもチュンチュンとのべつまくなし鳴いている。燕が作った巣に入り、追い出されては共存したいと願ってる。 磯鵯(イソヒヨドリ)は魔法の鳥か。臙脂色の首回り、胸から背にかけブルーが鮮やか。孤高の鳥で独りごちてはメスを呼ぶ。天使の声なり楽しめや。リズムいろいろ声音も変わる。それでも彼は彼の声。磯を離れて街中に。ビルの上から人を見下ろす。 仁万の街中や港にはまだ知らない鳥が鳴いている。鳴けば鳴くほど田舎の夕方、静かに穏やか豊かだな。ハマヒルガオが咲いている。 |