恋をしてカエル歌えや春をいけ [2015年04月25日(Sat)]
カエルが恋をしている。本能のままにオスがメスを求め、他のオスに向かって縄張りを主張し、盛んに鳴いている。桜が咲く頃から鳴き始め、田んぼに水が入れられて、掘り返されて均されて、さらにたっぷりと水が張られるようになると、巨大な合唱団の活動は最高潮を迎える。
トノサマガエルは「ゲゲココ、ゲゲコ」と間をとりながら鳴く。本人にしてみれば少し抑え気味かもしれないが、図体のデカいやつだから、とても目だってしまう。 ニホンアマガエルは、ニイニイゼミのようにたゆまず鳴く。とてもうるさい。「ジーコジーコ」と洗濯板をチェロの弓で乱暴に引いて鳴く。声を限りに主張するからともかくうるさい。個体数も多くて他のカエルを圧してうるさい。網戸にへばり付いているときには可愛らしいやつなんだがね。 シュレーゲルアオガエルは愛らしく鳴く。「コロコロコ」と、口中で高回転で舌を跳ねさせたように鳴く。リズミカルに木の鈴をたたいて澄んだ音を出している。宮崎アニメ『もののけ姫』に出る木霊のようでもあるし、コオロギのようにも鳴く。ニホンアマガエルに対抗しているが、数の力で負けている。 ウシガエルは、その名のとおり牛の鳴き声に似ているが、あえて形容するとすれば、「ブォーンブォーン」。田んぼの近くに沼があればまず間違いなくウシガエルはいる。100年ほど前にアメリカから輸入されて食用とされた時期もあったが、今は特定外来生物に指定されて嫌われものである。 (邇摩高校の牡丹の花も自分を主張している。紅白のコントラストが鮮やかだ) |