万物に風雅を感じ花月あり [2014年10月28日(Tue)]
松尾芭蕉の『笈の小文』にこんなフレーズがあります。
見る処花にあらずといふ事なし おもふ所月にあらずといふ事なし 四季折々の移り変わりを友とする風雅な俳諧の道を歩もうとするのならば、「花にあらずといふ事なし…」でなければならないと条件をつけています。すべてを風雅に感じられなければ、鳥や獣と同類だ。自然にとけ込むようにして花や月を感じよ、と芭蕉は言っています。 見るもののすべてに美を発見し、ひとたび言葉を紡げは、すべて花鳥風月のように麗しいという境地にはなかなかなれるものではありません。それからすると、写真のように熟し過ぎた西条柿にも風雅を感じるべきなのですね。そう言われてみれば、熟柿が秋空にとけ込んでいるようで、まんざら悪い趣ではなさそうです。 |