• もっと見る

«当たり前雨が降るのは当然か | Main | くちなしをなしとなしとで繋げたら»
<< 2024年04月 >>
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30        
検索
検索語句
月別アーカイブ
カテゴリアーカイブ
最新コメント
ふみハウス
よき冬日空輝いて玉磨く (03/30) 男子寮でお世話になりました
よき冬日空輝いて玉磨く (01/20) ふみハウス
年月日いつのことやら過去記す (06/10) 小笠原 由紀子
年月日いつのことやら過去記す (05/09) YM
崩れてく正しく着けてもマスクなり (04/21) 錦織 孝
箱根まで100キロつなぐ襷なり (01/03) ふみハウス
心地よし父の胸にて寝入る子よ (02/05)
心地よし父の胸にて寝入る子よ (01/27) ふみハウス
冷たくて濡れそぼる雨陽気待つ (01/26)
冷たくて濡れそぼる雨陽気待つ (01/23)
https://blog.canpan.info/fumihouse/index1_0.rdf
https://blog.canpan.info/fumihouse/index2_0.xml
最新トラックバック
球が飛ぶコンプライアンスは認めない [2013年06月16日(Sun)]

__tn_20130616124812.jpg日本プロ野球機構(NPB)はシラを切り通せなくなり、「公式球スキャンダル」は発覚した。2011年から導入された統一球「飛ばないボール」を密かに「飛ぶボール」に代えさせたという「事件」である。当人たちは、基準より反発係数の低いボールが混じらないように製造元に指示しただけで、現場が混乱しないため発表しなかったと言い、よかれと思ってやったことのようだ。彼らは今シーズンに入って急に増えたホームラン数(昨季より五割近く増えた)にきっとあたふたしていたに違いないが、一度口をつぐんだことを今更発表するわけにいかなかったとみえる。

プロはやはり凄いもんだ、しっかりアジャストしていくものだと私は感心していたが、まんまと騙されていた。しかしプロの選手はさすがだ。選手会側が「疑惑」を追及したところで化けの皮がはがれて「事件化」した。事務局と製造元との独断と隠蔽に対し、加藤コミッショナーは、「もしその事実を知っていたらその時点で公表しただろう」などと釈明して責任を回避しようとしたが、ガバナンス(統治能力)の問題として袋叩きにあっている。

事務局長が当初発表したとおり、昨夏にコミッショナーに相談したのかもしれない。移動の合間に歩きながら軽く話をして、「うまいことやりなさい」なんていう感じの返事をもらって、よしとしていたかもしれない。それほど重要だとその場では思わなかったコミッショナーの想像力のなさを責めるのは簡単だ。それにしても重要なことを文書の形にして判断をあおぐことは常識だ。その常識がなかったか、コミッショナーには相談する気が最初からなかったか、コミッショナーはお飾りでしかなかったかというところが真相なのだろう。

飛ばないボールは面白くないのは確かだ。それに対処して飛ぶように仕様を改めた。それも基準の範囲内でやったのだ。お客も増えて儲かればいいだろう。文句あっか、という気分だったのではないだろうか。会見前の事務局長もコミッショナーも。

ところが選手側は契約上出来高払いを決める際、打った打たれたという数は大きな違いとなる。単によかれと思ってやったと言われても納得できないだろう。開幕前に一言「係数の範囲に収まらない球をなくすように改善した」と公表しておけば誰も文句は言わなかっただろう。それが関係者すべての辞任を求められるような事態を生じたのはコンプライアンスの問題だ。

コンプライアンスとは、単に『法令遵守』ではなく、法律や規制事項に定められた上限を超えず下限を下回らないように守るという意味ではない。少なくとも日本では、「常識や企業倫理、さらには人間としてのマナーを守って諸活動を行うということも含めた、実に広大な意味」を持たされている。今はコンプライアンス全盛の世だ。はっきりとルール化されているわけではないが、漠然としたその倫理を根拠にして、マスコミがステークホルダーの筆頭格として企業や組織の悪を糾弾し、行政や警察の怠慢を世に曝していく。さらにネットでは思慮のない暴力的な言辞がまき散らされるときもある。

今回のことは、予め決められたルール以前に「発表するのが当然だろ! それが人間としてあるべき姿だろ!」という社会的な要請に反したことが、まず第一に問題だとされたのだと思う。つまり逆鱗に触れてしまったのである。なかなか理屈どおりにはいかないものだ、この世は……。
トラックバック
ご利用前に必ずご利用規約(別ウィンドウで開きます)をお読みください。
CanpanBlogにトラックバックした時点で本規約を承諾したものとみなします。
この記事へのトラックバックURL
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
トラックバックの受付は終了しました

コメントする
コメント