4-07 農と命を結ぶ仲間たち [2011年06月24日(Fri)]
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今度は、二宮先生がニワトリに囲まれている。
どうやら、養鶏場らしい。 「ここは、私たちの仲間が 経営する養鶏場です。 昔ながらの放し飼いです。」 となりで笑っているおじさんが、 養鶏場の人かな? 「おれは、かわいいニワトリを 真っ暗な中で、輸入したえさを食べさせて 薬漬けで育てるなんて、がまんできなかった。 いろいろ試したり、挑戦したりしていた時に 二宮先生に出会ったんだ。 もう、会った瞬間から意気投合して 夜通し酒を飲み交わしながら語り合った。 そして、ひとつずつ 育て方を変えていったんだ。」 「何を変えていったのですか?」 「まずはえさだな。 二宮先生が育てた米や雑穀などを 食べさせてみた。 そして薬を射ったり、 食べさせるのもやめた。 卵の黄身の色が淡くなったり、 味が変わったりしたんで 最初はとまどったよ。 でも、ニワトリたちが 前より元気になったんだ。 やがて、美味しいって評判が ネットコミで広がっていったんだ。 ありがたいことさ。」 目の前で卵が割られた。 たしかに、黄身の色は白っぽい。 ヨシモリさんは醤油をかけて、 はしでぐるぐる回して、 炊きたてのごはんにかけた。 おちゃわんに口を付けて たまごかけごはんを食べ始めた。 見るからにおいしそう! ヨシモリさんは叫んだ! 「うまい!」 「はは。二宮先生の米もうまいからね。 越後は水もいいから、言うことなしだ。」 ぼくは、ごはんを食べたばかりなのに つばをゴクリと飲み込んだ。 いいなあ。ヨシモリさん。 ごはんを食べ終えると、 またインタビュー再会。 「あとは何を変えたんですか?」 「食べたばかりで悪いけどね。 えさの次は、トイレさ。」 「トイレ?」 「ニワトリたちのトイレだよ。 まあ、田舎の香りっていえば、 それまでだが、 ニワトリだって、俺たちだって、 糞まみれよりは、快適な方がいい。 そこで、二宮先生の出番さ。」 ヨシモリさんは 二宮先生にマイクを向けた。 「二宮先生、 どんなトイレを作ったんですか?」 「そんな、大げさなもんじゃない。 ニワトリの糞が大好きで、 米や野菜の根っこが喜ぶ栄養を作ってくれる 微生物の力を借りただけさ。 ニワトリが美味しいお米や雑穀を食べる 放し飼いで、おひさまを浴びながら、楽しく生きる。 だから、ニワトリだってストレスもなく快食快便さ。 そのニワトリの糞を、待ってましたとばかり 菌たちがおいしく食べて、分解してくれる。 それが、最高の有機肥料になる。 私がつくるお米や雑穀にとって 最高のごちそうになるというわけさ。 おかげで、私たちもニワトリも おいしいお米や野菜も楽しめる。 命の輪がめぐりめぐって みんなが幸せになるんだ。」 ...命の輪がめぐる。 みんなが幸せになる。 なんだか農業ってすごいな。 画面は、養豚場へ牧場へとかわっていく。 豚も牛も、いきいきしている。 二宮先生の仲間は、みんな眼がきれい。 飼っている豚や牛が大好きなんだね。 とっても愛してるんだね。 二宮先生の仲間たちと、 それぞれの農家の子供や孫が 大集合して記念写真を撮っている。 その笑顔に包まれて 二宮先生は言った。 「お米だって、豚だって、微生物だって 愛されているかどうか、ちゃんとわかる。 私はそう思ってるんだ。 だから愛情を注がなきゃいけない。 気持ちが伝わってしまうからね。 どんなに大切に育てても、 最後は別れなきゃいけない。 どこかの知らない誰かに 食べられてしまうんだ。 それでも愛情を 注ぎ続けなくてはならない。 私も、ここいる仲間たちも 大切な命をいただきながら 生きて、老いて やがては死んで行く。 だからこそ、命の輪に感謝しなきゃ 愛情を注ぎ続けなきゃ いきものすべてを愛して 感謝する気持ちを、 ここにいる若者や子供たちにも 伝えていかなきゃね。」 みんなの笑顔を見ていて なぜか涙がこぼれた。 ぼくも、この仲間のなかにいる みたいな気がした。 さっき見た、ニノミヤ先生が、 大地を抱きしめるように 土に触れていた写真を思い出した。 ぼくは、ニノミヤ先生が ますます好きになった。 |


