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1-02 古びたゲートと恐ろしい看板 [2011年04月29日(Fri)]

それは古びたゲートだった。
一番目立つところに看板が立っている。

ところどころ塗料がはげかかっていた。
古い看板だ。

でも、その看板の注意書きを読んで、ぼくはふるえがきた。


 「これより先、無断で立ち入ることを禁ずる。

  1.入区許可証 2.防護装備 3.放射線計 
 
  を全て有する者だけが、自己責任で入ること。

  これより先で起こるであろう、あらゆる事故、
  健康障害等のトラブルに対して
  私たちは一切責任を負わないこととする。  

   2012〜 福島環境実験特区 住民一同」


ここは、教科書でならった、
あの「フクシマ原子力村」の入口だったんだ。


「ここから先にも...行くの?」


ぼくは、おそるおそる父さんに尋ねた。

父さんは即答した。


「そうさ。ここから先に、おまえに見せたいものがある。」


その時の父さんはいつもと違っていた。
「何が何でも連れて行くぞ」って顔をしていたんだ。


「...大丈夫なの?」


父さんは、さっきのおっかない看板の下を、
だまって指差した。

そこには、真新しい小さな看板があった。


 「2040年3月11日より
  福島環境実験特区の出入りは自由になりました。
  ただし、すべての行動は自己責任でお願いいたします。

  なるべく放射線計を持参して計測しながら行動してください。
  何かを触ったり持ち帰る時にはご注意ください。

  2040〜 福島環境実験特区 住民一同」


なんだか、もっと怖くなってきた。
ぼくの顔を見て、父さんはリュックから何かを取り出した。


「大丈夫。ほらガイガーカウンターも持って来た。
 これはお前の分だ。」


突然、放り投げるから、危うく落とすところだったよ。
父さんは、もうペンダントのように首にかけている。


「危なかったら、アラームがなるから大丈夫。さあ行くぞ。」

「ちょっと待ってよ」


父さんは、もう自転車にまたがって漕ぎ始めている。
なんで、そこまで燃えているんだ。

やれやれ。

気乗りはしないけれど、しょうがない。
ぼくも父さんを追いかけることにした。

やだなあ。
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