7-24 守ることは生きること [2011年11月02日(Wed)]
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「But I still haven't found what I'm looking for But I still haven't found what I'm looking for でも、ぼくたちには夢がある。 二人で、夢をかなえたいんだ。」 曲が終わっても、 この合唱はずっと続いている。 会場の人たちは 隣りにいる大切な人の肩を抱いたり、 手をつないだりしながら ずっと歌い続けている。 ぼくたちも、いつの間にか 手をつないで歌っていた。 すると、彼女が突然、 耳元でささやいた。 「私ね。 なんで、この歌を お父さんとお母さんが 好きだったか。 今、わかった気がする。」 そう言うと、 彼女は笑った。 ぼくは 驚いて行った。 「実は...ぼくも... ずっと、そのことを 考えていたんだ。」 「え? ほんと」 「この歌を聴きながら 詩のことばを読みながら、 君のお父さんとお母さんのことを 考えていたんだ。」 「どうして?」 彼女は、 その理由を聞きたがった。 「だって... この歌は、きっと... 君のお父さんとお母さんのために 書かれた詩だって思ったから。」 彼女は目を丸くして驚いた。 そして、突然 ぼくに飛びついて 強く抱きしめたんだ。 息が苦しいほど...。 「私も、そう思ったの」 突然のできごとに ぼくの心臓は 止まりそうだった。 どうしよう。 どうしていいかわからないよ。 そうか、何か... 何か言わなきゃ。 でも、今の気持ちを伝える 言葉が見つからないんだ。 会場の合唱は まだ続いている それを聴きながら さきほどの歌詞が よみがえってきた。 なんで、ぼくの心に響いたのか。 もう一つの理由が、今わかった。 「この歌は...」 「え?」 「ぼくの気持ち... 今のきもち、そのままだ。」 「....」 彼女の顔は見えないけど じっと耳を澄ませているんだ。 「ぼくは、きっと この村に導かれたんだ。 君に会うために。」 彼女はだまったまま 聴いている。 ただ、二人の体が 大きく呼吸しているのが 伝わってくる。 「そして... 君のお父さんのように お母さんのように 生きるんだ。 ずっと一緒にいよう。 君が生まれたこの村で。」 彼女が、小さく うなづいたような気がした。 そして、ぼくの体を 強く強く抱きしめた。 ぼくも、うれしくて、 彼女をそっと抱きしめた。 その時、突然、 空が明るくなった。 大きな音がはじけた。 花火だ。 会場をおおいつくすような 大きな美しい花火が、 何発も何発も夜空に花開いた。 合唱は、歓声にかわって みんなが同じ夜空を見上げた。 ぼくたちも 空を見る。 手をつないで 美しい花火に見とれた。 最後の最後に、 見たこともないほど 大きな花火が打ち上げられた。 金色の放射線は、 ゆったりと弧を描いて 水平線まで落ちて行った。 金色の光の残像が、 夜空に溶けていった。 もう一度、大きな拍手が 村中から聞こえた後、 しあわせな沈黙が そこにいたみんなを満たした。 「でも...」 彼女は、沈黙の中で、 突然、ぼくの耳に手を当ててささやいた。 「私は...病気なんだよ。 長くは生きられないかもしれない。」 ぼくは、いつも強気だった彼女が おびえている顔を、初めて見た。 昨夜と同じ、月明かりの下で。 その瞬間、ぼくの心に なにか言葉にできない、 熱い想いがわきおこった。 そして、考えるよりも先に 「言葉」が、 ぼくの心から解き放たれた。 「大丈夫だよ。 ぼくがずっと君を支えるから。 守り続けるから。」 彼女の顔が ぱあっと明るくなった。 そして、どこからか あたたかくて明るい力が ぼくたちに注ぎ込むのを、 たしかに感じた。 ぼくは決めた。 彼女を守ることは ぼくにとって生きること そのものなんだ。 彼女を守り この村を守る。 それだけじゃない。 彼女の笑顔を 愛することは この村の人たちや 世界の友人たちの 笑顔を愛することだ。 そんな「言葉」が、どこからか 心にすっと入ってきた。 おじいちゃんのように 七人の侍たちのように 立派なことはできないかもしれない。 でも、ぼくには 守るべき彼女がいる。 ぼくに勇気と元気を与えてくれる 彼女がいるんだ。 彼女と一緒に、これからずっと... たいせつなものを守り続ける。 ぼくはそう決めた。 そうだ! 2100年を... いや22世紀のはじまる2101年を ぼくたちのゴールにしよう。 彼女もこの村も守り抜いたと 胸をはれるように生きよう。 彼女と満天の星を見上げながら、 ぼくは心に誓ったんだ。 今日が「はじまりの日」 ぼくたちの「はじまりの日」だ! |


