ユニクロの代表取締役会長兼社長の柳井正氏の著作
『一勝九敗』。
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「会社経営の原点、会社で働くということの原点を今一度確認し、これからも一緒にやっていく仲間である役員や社員たちとそれを共有したいと思った」という柳井市の経営者としての想いがいっぱいの本だ。身近な会社の経営者が書いた本でもあるし、会社を経営している人たちは何を考えているのか、会社で働くとはどういうことか、を知る上で参考になる本だと思う。
しかし、この本のタイトルは『一勝九敗』。経営者にしてはちょっと弱気ではないかと感じる向きもあるかもしれないが、著者はこう述べている。
経営とは試行錯誤の連続で、失敗談は限りなくある。商売には失敗が付き物だ。10回新しいことを始めれば9回は失敗する。成功した経営者のなかには、もっと凄まじく「100回に1回程度しか成功しない」などとおっしゃる方もいる。「現実」はいつでも非常に厳しい。経営環境は目覚しいスピードで変化していく。そのスピードに追いつきながら経営を続け、会社を存続させていくには、常に組織全体の自己革新と成長を続けていかなくてはならない。成長なくして企業としての存在意義はない、と考えている。(p.5)
柳井氏は創業者ではなく、父の創業した会社(山口県宇部市にあった「メンズショップ小郡商事」)を受け継いだ「二代目」である。本社はいまでも山口県にある。ユニクロといえば、一般の学生諸君には、カジュアルウェアの低価格大量販売で急成長を実現したすばらしい会社、というイメージかもしれないが、この本を読んでみると、案外あちこちの事業活動に失敗したようだ。
このような「経営者の本」からこの世を生き抜くヒントとして得たいのは、何かに挑戦して失敗したときにどうやってそこから立ち直るか、ということだろう。柳井氏は本書のなかで次のように述べている。
失敗は誰にとってもいやなものだ。目の前につきつけられる結果から目を逸らし、あるいは蓋をして葬り去りたい気持ちにもなるだろう。しかし蓋をしたら最後、必ず同じ種類の失敗を繰り返すことになる。失敗は単なる傷ではない。失敗には次につながる成功の目が潜んでいるのだ。......(pp.73〜74)
読み進めていくと、なんだか希望や勇気がわいてくるような、そんな一冊である。