古い本だが、松下電器の創業者である松下幸之助の著書
『商売心得帖』を図書館から借り出してきて読んでいる(現在、私が借りているので「貸出中」になっていますが、近日中に読んで返しますので、興味のある方は予約しておいてください)。 この本、昭和48年に出版された本だが、いま読んでも「なるほど」と思わせる内容が満載の本だ。おおむね見開き2ページで1つのお話がまとめられているので、読みやすい。
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しばらく読み進めていくと
「商売冥利」というお話に出会った(
「しょうばいみょうり」と読みますよ、念のため)。話は、松下幸之助が若い頃に先輩から聞いた話だそうなのだが、あらまし、こんな話だ。
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ある町に立派なお菓子屋さんがあって、ある日そこに乞食(こじき)がまんじゅうを1個買いに来た。立派なお店で、乞食が来るような場所ではないのだが、そのお店のご主人は自らまんじゅうの包みをその乞食に渡し、代金を受け取ると「まことにありがとうございます」と深々と頭を下げた。
乞食が出て行った後で、店の従業員が不思議そうに主人に尋ねた。「どんなお客さまにも、ご主人自らお渡しになったことはないと思います。なぜ、あんな乞食に、ご主人さまがお渡しになるのですか?」
主人は答えた。「よう覚えておきや。これが商売冥利なのだ」。「いつものお客さまはお金のある立派な人ばかり。だからこの店(のような立派な店)に足を運んでも不思議はない。だが、あのお客さま(=乞食)は、いっぺんこの店のまんじゅうを食べてみたいということで、自分が持っているなけなしの全財産をはたいて買うて下さった。こんなありがたいことはないではないか。そのお客さまに対しては、主人の私自らがこれを差し上げるのが当然だ。それが、商売人の道というものだよ。」
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これだけの話なのだが、松下幸之助は何十年たってもこの逸話を覚えていたそうだ。そして、このようなところに、商売人としての感激を味わうのが、本当の商売人の姿ではないか、と述べている。これから社会に出る学生諸君の多くがビジネス(=商売)の世界に身を置くことになる。ビジネスマンになる前にこういう話は知っておくと損はない。