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2018年09月22日(Sat) 「社会を変える」ための「政治の使い方」ってなんだろう?<市民ライターが行く!情報発信でまちづくりを応援>マチノワ縁日


こんにちは。市民ライターの鈴木はるみです。

私は普段、アマチュアパーソナリティとして、ラジオ番組 『鈴木はるみの“ソーシャルで行こう!”』を運営(企画・出演・編集・提供)しています。番組内の「仙台市議に聞く!『市議会へ行こう!』」というシリーズ企画では、毎回、仙台市市議会議員の方々をゲストにお話を伺っていて、私たちの最も身近なところで活動する地方議員に関心を持つようになりました。

そこへ今回、港区議会議員のお話を聞けるとあって、マチノワ縁日1日目の8月25日、「社会を変える」政治の使い方講座に参加しました。

東日本大震災以降、社会のためにボランティアをはじめとする社会貢献活動に参加する人は増えたと言われていますので、「社会を良くしたい」「社会を変えたい」と思っている人は多いように思います。
しかし、私は普段の活動を通じて、政治となるとあいかわらず関心は低いままだと感じます。
おそらく、多くの人が「社会を変える」手段として、政治という選択肢をイメージできないからなのではないでしょうか。
でも、政治というシステムによって社会のしくみがつくられていることを考えれば、政治こそが社会を変える力であるとも言えます。

東京都港区議会議員の横尾俊成さんは、いち早くそのことに気付いて、「政治を使って」「社会を変える」ための実践を続けている一人です。


最近よく「若者の政治離れ」という課題をよく耳にします。
そんな中、政治をテーマとするこの講座にどれくらいの人(特に若い人)が集まるだろう?実は、そこにも興味がありました。おそるおそる中を覗くと、会場は予想以上に多くの参加者で埋まっていました。しかも、若い人が何人もいたのには驚きました。

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▲会場はサポセン地下1階、市民活動シアターでした。

やはり、関心のある人は一定数いるのだなと感じました。また、横尾さんは37歳という若い政治家。だからこそ、若い人々も関心を寄せたのだろうとも思いました。

政治家というと、どこか遠い存在というイメージを持ちがちですが、目の前の横尾さんは、ポロシャツにジーパン姿。しかも、よく選挙で見られるような、イメージ作りのため、いかにもしつらえたような真新しいポロシャツではなく、ありのままの普段着という印象でした。
客席の人たちと変わらない。むしろ客席と馴染んでいる感じがします。「きっと、わたしたちと同じ目線の人なのだろうな」と思わせる、フランクでフラットな印象がにじみ出ていました。

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▲客席に近づきながら話す横尾さん

横尾さんは、大学生時代にアメリカに留学した経験があり、9.11をきっかけに「自分には何ができるだとう?」と考えるようになったそうです。
大学院生になったとき、「何をしたらよいか分からないけど、とにかくアクションを起こそう!」と、国際問題や紛争についてのシンポジウムやNGO・NPOの活動に参加。模索を続けるうちに、同じ思いを共有する仲間と出会いました。「世界の紛争をなくすためにどうすればいいか」ということをテーマに、仲間と大規模なイベントの開催を成功させます。
その体験から、「まず動く。動いたら何かが変わる」と実感したそうです。(「横尾俊成・著『「社会を変える」のはじめかた』参照)

その後、プロモーションを学ぼうと大手広告代理店に入社。仕事の中でソーシャルビジネスに関わる部局を担当したことがきっかけとなり、その分野の知見と人脈を広げていったそうです。

さらなる転機は、様々な社会貢献活動にも関わり、まちのごみ拾いを全国規模で展開するNPO法人グリーンバードと出会ったことでした。「社会のために役立ちたい」と考える人々が気軽に参加できる活動で、全国・世界にチームがあります。現在は、横尾さんが法人の代表を勤めています。

ごみ拾いをきっかけに地域とのつながりを得た若者が、まちの課題解決に向かって動き出し、様々な活動が生まれ地域が変わっていく様子を目にしてきました。
一方で、市民だけではどうにもできない課題も見えてきました。横尾さんは「行政と市民が一緒にまちづくりをするためにはどうしたらいいか」と模索。今度は、民間の立場からではなく、政治の内側で活動し、社会を変えていこうという考えに到ったそうです。

一人の市民としてまちとかかわる活動をする中で、社会の課題解決に向けて必要性を感じ、政治家という道を選んだ横尾さんは、無所属で立候補して見事当選を果たします。
政治という道を選ぶ過程に、こうした背景があったことは非常に重要だと思いました。政治家として活動するとき、必ずこれまでの経験、背景から影響を受けるからです。

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▲マニフェストの説明をする横尾さん

横尾さんはこう言います。「思っていても、何も意見を伝えなければ、存在しないのと同じになる。自分たちの声は届かない」、「声をあげなければ、声を拾ってもらえない」。

選挙の過程で横尾さんは、くまなく区民の意見を聞いてそれを「港区をよくする20のアイディア」としてまとめ、自身のマニフェストにしました。それらは選挙向けの言葉だけの努力目標ではなく、本当に実現させるためのものでした。市民との本当の約束です。ですから、当選後はそれらの実現に向けて動き、実際にいくつもの項目を実現させてきました。
まさに「社会を変える」ための「政治の使い方」を実践したのです。

「港区をよくする20のアイディア」の前文にはこうあります。
『時代を嘆くだけでなく、ポジティブに身近なまちのことを考え、アイディアを膨らませてみる。政治のことも、まじめに考えてみる。僕は自分が住むこのまちで、できることから少しずつ始めたいと思います。もしご賛同いただけるなら、みなさんにも仲間になってほしい。こうした活動が広がれば、日本はきっとよくなる。そう信じています。』
(「横尾俊成・著『「社会を変える」のはじめかた』参照)

横尾さんの話を直接聞いてみると、この文が区民だけに向けられたものではなく、この国に住むすべての人に、同じ時代に生きるすべての人に向けられていることが伝わってきました。

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▲講演後の懇親会で参加者と交流する横尾さん

今回の講座でも、その思いはにじんでいました。
「政治の“顧客”から“当事者”になろう」横尾さんはそう提案します。

横尾さんの言葉が参加者ひとりひとりの胸に届いて、これから社会にどんな芽が出てくるのか、とても楽しみです。

(取材・文 市民ライター 鈴木はるみ)
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