5月11日(木)、サポセン地下、市民活動シアターにて、
「未来の街を考える対話と交流の場 マチノワラボvol.1」を開催しました。
東日本大震災後、さまざまな社会課題の解決に向け、分野や立場を超えた協働の取り組みがますます重要になってきました。
マチノワラボとは、一般社団法人パーソナルサポートセンター(以下、PSC)、NPO法人都市デザインワークス(以下、UDW)、仙台市市民活動サポートセンター(以下、サポセン)が共催する「未来の街を考える対話と交流の場」です。
第1回目のテーマは、
「社会的連帯経済ってなんだ!?ーフランスから学ぶー」です。
ゲストにお招きしたのは、花田昌宣さん(熊本学園大学社会福祉学部福祉環境学科教授)と、福原宏幸さん(大阪市立大学経済学部経済学研究科教授)です。司会進行を務めるのは、今回のテーマを担当したPSC理事、菅野拓さんです。

日本では聞きなれない「社会的連帯経済」。会場には、生活困窮者支援者、NPO中間支援者、震災復興に取り組む団体、行政職員、市民活動者など、全国から60人以上が詰めかけました。
フランスでは、失業率が8%〜12%と高い状況が続いています。
社会的連帯経済とは、市場部門、公共部門とは異なる第三の部門で、利益追求ではなく、社会的排除問題解決やエコロジー推進など社会的課題への取り組みを目的とした事業活動のことで、フランスをはじめ欧州主要諸国、カナダ、韓国などで法制化されているとのこと。
まず、花田さんから社会的連帯経済の概要、制度体系について教えていただきました。次に、福原さんから具体的なフランスでの事例、中身について報告いただきました。その後、参加者を交えて質疑応答、学びを仙台で活かすための意見交換を行いました。

▲右:花田昌宣さん(熊本学園大学社会福祉学部福祉環境学科教授)
花田さんは、ソーシャルエコノミーを研究テーマのひとつにしています。また、熊本県で社会福祉法人を運営し、障害者とともに、働く場づくりに取り組んでいます。「日本の福祉制度では、障害者が十分に働くことは難しい。かといって市場経済の中に出ていくための仕組みがない」。そんな現状に悶々としていたことが、「新しい経済」について研究を始めるきっかけでした。
花田さんは、「日本、仙台には、組合や社会起業など実態はすでにある。一方で、障害者雇用、生活困窮者の救済など、個別の動きだけでは社会的な課題に対応できない」と問題提起。包括的な議論の必要性を語り、「ボランティアによる救済ではなく、共に事業として雇用を生みながら地域に定着させるための工夫を、フランスから学ぶことができる」と締めくくりました。

▲福原宏幸さん(大阪市立大学経済学部経済学研究科教授)
福原さんからは、社会的連帯経済を実現・継続していくうえで重要なポイントを、仙台市とほぼ同じ人口規模であるフランスのリール市における事例をもとに報告いただきました。
地産地消型の有機野菜を使ったレストランを協働組合として開設した事例、公害や駐車スペースの限界という課題から、乗用車を減らすためのカーシェアリング事業などを紹介。行政、企業、地域組織のパートナーシップ、取り組む社会課題の分野を超えた連携が特徴です。
従来とは異なる新しい方法で多様な経済な経済、多様な主体を育て広げることの重要について話しました。また、社会的連帯経済を支えるために必要な中間支援期間について具体的に上げ、実現に必要な役割、資金調達の仕組みなどについて説明しました。
「ご報告した事例は、特殊なものではありません。持続的な事業としてどう社会に定着させていくか。経済に対する市民の価値変革から、普段の行為を変えていく手法を参考にしてほしい」と伝えました。
次に、お二人のお話を受け、ディスカッションへ。

PSCの菅野さん(写真左)は、議論の種として、キーワードをピックアップ。「日本では、雇用を生むこと、自治体を運営すること、地域産業を盛り上げることを一緒に考えることはない。この点が今後の参考になる」と、フランスと日本の違いについて感想を述べながら、改めて日本・仙台に目を向けより詳細な解説をお二人に伺いました。

参加者からは、基本的な考え方についてや「フランスで社会連帯経済がこれだけ推進され、浸透している理由は何か」といった質問が寄せられ、今の東北に必要なものを探りました。

▲交流会では、参加者とゲストがドリンクを片手にざっくばらんな意見交換を行いました。
マチノワラボでは、社会の課題解決に取り組む人たちが、分野を超えてこれからのまちづくりについて議論する場をつくっていきます。
◆次回のご案内◆--------------------------------------------------------
「都市をたたむ ―これからの都市政策とは―(仮)」--------------------------------------------------------
人口減少時代にスポンジのように縮小する都市の構造と、それに合わせた都市政策の事例を中心にご紹介いただき、対話を通して仙台や東北の取組としてどのように生かせるかを考えます。
ゲスト:饗庭伸さん(首都大学東京都市環境学研究科都市システム科学域 准教授)
日 時:2017年7月24日(月)18:00〜20:00
場 所:仙台市市民活動サポートセンター 市民活動シアター