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社会福祉法人さぽうと21の発表会A [2012年12月17日(Mon)]

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「スーダンを知ってほしい」と国情を説明するアブドくん。


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  ミャンマーのカチン族の衣装を来てミニ・ファッションショウをする
  カチン出身の女性たち。




社会福祉法人さぽうと21(私が理事長)の学習支援室受講生による発表会は、毎年のことながら、新鮮な感動と、続けてきてよかったという思いで満足させていただいています。

カチン族のトウンさんの「自然と黄金比」の説明もすばらしいものでした。もちろん完全に理解した上で、メモも見ないで説明する姿は、どこかの国の政治家の話より、はるかに説得力がありました。むしろ、内容が高度で、私には付いてゆけないところさえありました。国連ビルやピラミッドが黄金比1:1.618…になっているというのは知らなかったです。

カチン族のオンさんの英語の格言の話。具体的に「Dream as if you will love forever, Do as if you will die today」の話も理想と現実の対比が面白く、みんなを唸らせました。

同じくミャーさんの「日本に来て一番関心したこと」として3つ挙げられたのも説得力がありました。曰く、@一人ひとりが親切なこと、A社会が築き上げてきたルールをみんなが守ること、B公務員がよく働くこと、だそうです。特に3番目が、途上国の人たちが、大いに感動し、驚嘆するところのようです。
在日外国人の学習発表会で ― 野口英世の結婚詐欺 [2012年12月17日(Mon)]


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まずは写真の説明です。ミャンマー人の太鼓の名手に合わせて、学習支援室に通うミャンマー人と日本人の合奏と合唱。そしてミャンマー(カチン族)の民族舞踊を踊るのはなぜか、全員日本人のボランティア教師の「きれいどころ」。顔が見えない? 個人情報保護のため? でも、みなさんほんとに美しくも楽しそうに戻っておられました。

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ところで、「野口英世の結婚詐欺」って知ってますか?
収入がなくて困った末、婚約相手の家から結納金をもらいながらも、その女性とは結婚せず、そのお金で渡米したのだとか。

かねて野口には放蕩時代があったとは聞いていましたが、千円札になるくらいですから、まさかそこまで金銭感覚がいい加減だったとは知りませんでした。浅学菲才に加えて、先入観の塊であることを恥じ入ります。

というのは、昨日、社会福祉法人さぽうと21の学習発表会で中学2年生のミャンマー人の男の子が、そんなスピーチをしたのです。

この日は、約30人のミャンマー人と一人のスーダン人がそれぞれに工夫をこらして、3時間余にわたって「学習発表」をしました。小学生のクイズも楽しめたし、中学生が英語でした「ゲティスバーグ演説」の暗誦もよかったです。さらに、『世界が100人の村だったら』をかいつまんで説明する中年男性にも感心したし、6人が民族衣装を着ながら誇りを持って、カチン族の文化を説明してくれた女性たちも、魅力的でした。

寿司屋でアルバイトしている女性は、イクラの注文を「(勘定は)いくら?」と訊かれたと思い、それまでの客の食べた分を計算してお伝えし怒られたという笑い話を披露しました。

昔、ベトナム難民で聖心女子大の英文科に在籍していたベトナム難民の女性が、バイト先で「ウズラのタマゴを買って来い」といわれ、店頭で「クジラのたまごをください」と言って「そんなものはない」と追い返された失敗談を話していたのを思い出した。その時は、「ゴジラのたまごって言わなかっただけましだよ」と励まして笑いあったことを思い出しました。

別の寿司屋で働く男性は、オヤジさんに、「キミはよく働くが、寿司屋、特にウチでは外国人は出前の使いや洗い物をさせたりはするが、職人にはしないんだ」と言われて挫折し、涙にくれていたのをもて、女将さんが優しく、「もう少し日本語の勉強をしなさい。そしたらかならず職人にしてあげるから」と励まされ、さぽうと21の学習支援室に熱心に通っているという話は、会場のみんなを泣かせました。近く、そのお店に何人かで行って、財布の底をはたいて来よう、私は明日からでも財布の底をはたいてでも、彼が一人前になるまでその店の常連になろうと、密かに決めました。

日頃、思いもよらない視点での体験談や苦労話に、今年も新鮮な思いで感動させられました。次回はさらに続けます。

国際交流は、日常の視点とは違う刺激を楽しめるので、理事長という私の役割も、結局は、自分のためになってるなと実感するばかりです。美談ばかりの偉人伝も視点を変えて、冷静に読まなくてはということをミャンマー人の少年に教わったのでした。
                                   (つづく)