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北方領土問題の基本 [2011年05月20日(Fri)]





    択捉島紗那から臨む散布(ちりっぷ)山





МиГ-21CCCPさんからのコメントを頂戴しました。「ミグ21ソ連」というハンドルネームだけで、
「軍事小国」日本にくらす私としては、、怖くてなりません(笑)。

★     ☆       ★

ロシアは、ソ連時代から、ウクライナのクリミア半島や
中国などの隣国と領土問題を抱えていました。

特に、中国とは、冷戦時代にダマンスキー島で
軍事衝突したにも関わらず、
近年ロシアが大幅に譲渡する形で、
中国との領土問題を、ほぼ解決しております。

残念ながら、ロシアは日本より、戦略的な国です。

特に民主党政権になって、
日米関係がそれほど緊密でないなか、
アメリカがどのような対応に出るのか、
中国漁船の尖閣諸島領海侵犯のように、
アメリカが日本を擁護するのかを
テストしているのかもしれません。

ロシア政府高官の相次ぐ北方領土訪問について、
アメリカは、沈黙に近い状態で、
日本も、アメリカのバックアップなしに、
強行な対応に出ないと見越し、
ロシアは、今後ますます「訪問客」を増やすでしょう。

日本は、抗議だけでなく、
北方領土が、日本固有の領土であること、
ソ連が国際法を踏みにじる形で侵略し、
ロシアとなった今でも不法に占領している事を、
ロビー活動やTシャツを配るなどして、
国際社会にもっと宣伝、アピールする必要が
あるのではないかと感じます。

ロシアが、なぜ日本に対してだけ、
強行な姿勢で、領土問題に望むのか。

確かに、北方領土には、資源や、豊富な魚介類という
メリットがありますが、
それだけではないような気がします。

私の祖父が、「ロシアが北方領土を手放すのは、
アメリカ軍が沖縄を撤退する時だ。
両国には、そのような密約があるかもしれない」
と言っていたのを、思い出します。

それにしても、ロシア政府高官の相次ぐ北方領土訪問に、
プーチン首相の存在が目立たない事に、
違和感を感じます。

  ✾      ✾      ✾

プーチンが関与することなく、
ましてや知らないうちに、
その傘下にあるというべき政治家たちが、
自由に北方領土を訪問することは
ありえないと思います。

ロシアが日本にだけ強く臨む理由は
いろいろあります。

しかし、究極のところ、
日本が軍事的小国であること、
黄色人種であること、
ここで退いては日露戦争の屈辱を
思い出してしまうことなどでしょう。

北方領土を次々と訪問することは
日本にとってこまることだけでは
ないと思います。

無視され、議論に応じないことのほうが
解決は遠のくでしょう。

ロシア人が、世界がこの1,2年、
北方領土問題について、多少は
知るようになってきました。

日本についての関心も高まってきています。

北方領土問題についての有力者たちの
見方や考え方も、大きく動いています。

1970年代の初めから、モスクワとの間で
日ソ専門家会議をして来たものとしては
確かに、あの国の人たちの意見を変えることは
大変なことだとは思いますが、
ずいぶん変わりましたよ。

あとは、両国にしっかりした政権ができることです。

これが問題解決にとっての「天の時」です。

そして日本側にしっかりした戦略のもとに
政官民学財、メディアなどの連携を確立することです。

これが「人の和」です。

今のロシアにとって、日本側関係者の混乱と
国としての相対的地位の低下は
楽しくてしょうがないのではないでしょうか。

北方領土には周辺の水産資源のほか
見るべき鉱物資源などはないというのが、
戦前の「千島調査所」の結論です。

ほかにはあえて言えば、観光資源でしょう。

しかし、少なくとも私は、資源がほしくて
4島を返せといっているのではなく、
「日本人の矜持」として
法と正義、歴史的事実に基づいて
主張しているのです。





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