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ロシアへの好悪感情 [2010年11月03日(Wed)]








「princess」さんからのメールです。ありがとうございます。

★     ☆     ★

今回の領土問題はマサに試練ですね。
緊張感、危機感を感じます。

個人的レベルで言えば
社交性の問題だと思います。

「脅かされず、踊らされず、踊る」には
常に気迫をもった社交が不可欠です。

国は人の集まりです。仲良く生きたいですね。

――――――――――――

 わかります。これが基本であることは。

「internationalはinterpesonalですよ」とは
わが師・橋本祐子(さちこ)先生の口癖。後者の
単語は、先生の造語ではありますが、
言わんとするところは、
「一人ひとりの積み上げが国と国との関係よ」
ということでしょう。

 私は、北方領土の返還に40年取り組んできました。

 しかし、ロシア人には友人もたくさんいますし、
ある種の好感と敬意も感じています。

 それは1968年のことですが、
初めてモスクワを訪れた時、
地下鉄を降りて、ボリショイ劇場への道を尋ねた時、
買い物籠を下げたおばさん
(仮にナターシャとしましょう)が
口で説明してくれるのですが、
皆目それを解さない私の手を、むんずとつかんで
メトロポールホテルの近くまで行き、
「あれだ!」と指さしてくれた、その
ナターシャの厚意が忘れられないのです。

 爾来、ソ連・ロシアには計100回以上
出かけ(ちなみに今年は3月にモスクワ、
9月にウラジオストクを訪問)ていますが、
その都度、いつもどこかで、何かの機会に、
ロシア人の親切さに接するのです。

 北方領土の不法占拠は許せないし、
かつての中立条約違反の侵略も糾弾したいし、
シベリア抑留では私の長兄もひどい目に遭い、
秋田の同級生の何人かは父を喪っているのです。

 国家間の憎しみと個人的な好感は別ですし、
願わくば、末永くロシア人との交流を
深めてゆきたいと願っています。

 また、だからこそ、
北方領土問題を正しく解決することが
両国関係を根本的に改善する鍵だと
主張しているのです。

 北方領土の復帰は、
両国にとって間違いなく、
プラスサムゲーム、ウィンウィンの関係を
もたらすことなのです。

 ナターシャさん、
あなたへの感謝の気持ちは今も変わりません。

 しかし、何とかしてロシアの政府や国民が
北方4島の返還を決意し、
 中国との言葉だけの戦略的互恵関係ではない、
今日の世界に両国が占める重要な役割を
一緒に果たして行きたいものと思います。

 ロシアにないものを日本は十分に持っていますし、
逆に、日本にないものをロシアは十分、持っています。

 繰り返しますが、こうした両国の補完的な関係は
必ずや、両国民のみならず、
世界に大きな貢献を果たすことになるでしょう。
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