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ドイツの政治家と日本の政治家」 [2010年10月11日(Mon)]








 国際派ジャーナリストQ氏からのメールです。

 日本の政治家で外国で通用する人がどれだけいるのでしょうか。

 もしそういう人の「名講演」速記録でもあったら拝見したいものです。
特に、男性国会議員の例が少ないように思いますが。

★    ★    ★

先日、日本EU研究所の企画の一つとして
早稲田大学で
ドイツのヨシュカ・フィッシャー元外相の講演が
ありました。

中々含蓄のある
考えさせられる講演でした。

(  )はQ氏のことばです。

御存知
フィッシャー元外相は緑の党の政治家、
国連安保理の議長でもあった時
イラク戦争に反対し
日本などでは
「米独関係が大きく軋んだ」、
「フィッシャー氏は反米だ」、などと言われました。

質問に対し
フィッシャー氏は事も無く
アメリカは大事な国、
ヨーロッパはアメリカが必要だ、などと前置きし
9月11日事件以降、
アフガン戦争は当然と考えられドイツも派兵に応じた。

しかしイラク戦争は
9月11日事件と何の関係も無い。
イラク戦争そのものが間違いだと考えたから
反対したのであって
アメリカに反対したのではない。

当時のブッシュ・ネオコン政権は
アメリカの資産(インテリジェンス、外交関係)を
無駄にした。

私個人につていえば
ブッシュ(父)元大統領とも
パウエル国務長官とも大変親しい間柄であり
関係に変化などなかった、
などと言っていました。

(当時ブッシュ、シュレーダーの両首脳間は
確かに緊張関係が覗えました。
また
米独間の通商・貿易関係に悪影響が出る、
などとの論調も出ましたが
全くと言ってよいほど関係が無かったのは
私も確認しています。)

(当たり前のことですが
一つ一つの政策で
政府間に政策の相違があったからといって
両国関係が大きく損なわれるという発想や報道は
国民の思考を停止させたり、
論理的に考える能力を低下させることにつながり
百害あって一理無し、
フィッシャー氏のように冷静、かつ客観的に考え
対処する能力を持つことの必要性を
考えます。)

フィッシャー氏、
Lehman破産に始まる金融危機と現在の経済不況を挙げ
ユーロは駄目だ、失敗だと言われたが
それが間違いだったのが判る。
他の国々(米、日本?)に比べても
ヨーロッパへの影響は少ない。

EUモデルの長所が示された。
EUが目指す福祉を基盤とする資本主義社会は
市民、諸国民の連帯に基づくもの
(危機には最も抵抗力がある)と
日本はヨーロッパに目を向けるよう示唆しました。

(彼は別の機会に
貧富の落差、貧困層の拡大は社会を不安定にし、
過激派を増大させ
社会の水準を引き下げる。
それを防ぐためにも
貧富の差を克服し、
貧困層を減らして行くためにも
厚い福祉は必要だ。
などと述べています)

フィッシャー氏は
政治家に必要な資質について
「危機の際、それをより良い社会作りに向けた
格好の機会だと考え
的確に対応する知力と勇気を持てる者」などと
応えていました。

その上で
これから中国、インドの巨大人口国をはじめ
多くの人々が豊かな生活を求めて
(資源消費型)経済が成長して行く。

しかし
地球の資源には限界があり、
人類は自らの手で自らの生存基盤(地球環境)を
破壊しつつある。

それを避けるために、また中国、インドなどを
相手としていくためにも
持続可能な経済・産業へと移行して行くことが
必須である。
(政治家は
そういう歴史的な視点を持つことが必要だ、
と指摘していました)

フィッシャー氏の講演、
政治家の講演でもありましたが
歴史家のような、また哲学者のような講演であったのが
印象に残ります。

独「緑の党」は連立政権に参加した時が
最高の時であると同時に最大の危機を迎えました。

アフガン戦争、コソボ紛争に軍隊を
派遣する決定をする立場になったからで
多くの党員が去り、支持率も最低に落ち込みました。

「緑の党」は
党内の派兵論議を全面公開し、国民監視の中で
本音の議論を展開して支持を取り戻し
この危機を克服しました。

しかし
フィッシャー氏個人の人気はこれ以降、
下降線の一途をたどり総選挙後
外相辞任と共に政界からも引退しました。

現在、
独「緑の党」は国内では
最大の支持率を得て野党第一党に進出し、
ヨーロッパ各国にも「緑の党」が広がり
ヨーロッパ議会でも最大会派の一つにまでなっています。

フィッシャー氏は現在
NYのコロンビア大学で教えています。

フィッシャー氏の講演を聴いて、
日本の政治家で
外国の名門大学から招請されるような人物が
一人でも二人でも出てくるのは
何時の事か、と考えてしまいました。
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