鳩山兄弟の訪露 [2010年09月09日(Thu)]
民主党政権では対露外交をあたかも「家業」のごとく、鳩山由紀夫前首相に丸投げしそうです。明日9日から、この元首相は、ソ連時代を含めて初訪露である弟の邦夫衆院議員(なぜか日露協会会長)を連れて、ヤロスラブリで開催される国際フォーラムに出席するのです。 民主党代表選挙を巡ってのこの人の右往左往のピエロぶりは今さら笑ってもしょうがないのですが、今度はわらってはおれません。 「首相特使」としての出席です。菅首相は、外交、特に対露外交は何も考えずに、「鳩山さん、どうぞ好きなようにやってください」の状況ではないでしょうか。 小沢さんも、自分が首相になったら、鳩山・菅の二人には重要なポストを渡すというのですから、鳩山さんは、カネで躓いて首相の座を辞したことについて、何の反省も引け目も、申し訳なさもないのでしょうか。 鳩山さんは、世間で言われるほどのロシア通でも、対ロ外交に実績があった人でも何でもありません(ご本人がまさかそうだとは思ってはいないでしょうが)。おじいさんが首相の、今から54年前に国交を回復した主要メンバーの一人だったというだけのことです。 丸投げもいけませんし、本人が張り切るのもいけません。ここは「Show your card, first!」とでもいって、ロシアの動きをじっと待って、次に備えるべきときです。 こちらから思いつきのような案をちゃらちゃら出すのは全くナンセンスです。今、メドベージフがプーチンを超え、画期的な決断が出来るわけがないことを、よくお考えいただきたい。 3月8日に官邸でそのようなお話をしたとき、鳩山首相は「しかし、旧島民がご高齢になられて・・・」と、急ぎ姿勢を見せました。 これが危険です。 この北方領土返還運動は旧島民のための運動ではないのです。日本の主権、わが国の国益の基本に関わる課題であり、旧島民の方にはお気の毒ではありますが、別途、物心両面にわたる十分の支援をしつつ、国と国民の矜持を示すときなのです。 いまひとつ、鳩山さんについて心配なのは、科学者らしく、実験をしてしまうことです。あの考え、この手段を試してみて、消去法のように案を絞ってゆくこの考え方をされることです。 ロシアはじっとそれを見て、都合のいいものだけにくらいついてくるでしょう。 外交は化学実験ではないのです。信念を持って中央突破です。法と正義はわれにありという確信をもって、対処していただきたいと思うこと切です。 |