菅さん、鳩山前首相への丸投げは×ですよ [2010年08月20日(Fri)]
8月19日付産経新聞に 「懲りた? 菅首相、北方領土に前向き」 の見出しで、 次の記事が出ている。 驚き呆れるほおかない。 ☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜ 菅直人首相は18日、首相官邸で 北方領土の元居住者らで作る千島歯舞諸島居住者連盟の 小泉敏夫理事長らの表敬訪問を受けた。 首相は北方領土の返還について 「戦後日本における最大の懸案の一つだ。最終的には 私が責任を取るが、私の代理として (北方領土問題に取り組んできた)鳩山由紀夫前首相の力を お借りして前進させたい」と意欲を示した。 首相は7月27日、首相官邸を訪問した 元居住者の3世らの中学生と面会せずに非難を浴びた。 これに懲りたのか、今回は、 北方領土の早期一括返還や元居住者の権益の保護、 後継者の育成など12項目の要望書を自ら受け取った。 小泉氏は面会後、 「菅首相から意欲的な回答を得た。 帰って元島民に話したい」と述べた。 ☆☆☆ ★★★ ☆☆☆ ★★★ 菅さんという人は、憲法、外交、安全保障、教育といった 国の基本的な問題について真情を語ったことがない。 従って、そうした重要課題にどれだけの 知見や信念をお持ちなのか、私にはわからない。 あるいは全然ないのかもしれないし、 もしかしたら、大変に高邁なものを お持ちなのかもしれない(こう書く老生も老成せずして 品がよくなった?)。 千島連盟の小泉理事長とは数十年来の仲だが、 「鳩山前首相の力をお借りして」という菅さんの発言に、 おそらく、呆れられたのではないだろうか。 要するに「自分には出来ません。先輩よろしくね」と 丸投げしたなのである。 鳩山さんはその祖父が日ソ国交交渉の最後に 「日ソ共同宣言」に署名したことから、 孫までが日露関係の、あるいは 北方領土問題の最高権威であるかのようにいう人がいるが、 おそらくは本人だって、 そんなことは思っていない(はずだ)。 少なくとも現職の総理だった3月8日に この問題で官邸を訪ねたときの応答では、 日露関係についてかなり関心があることは認められるが、 信念に基づく見識を感じさせるものはなかった。 ま、菅さんよりはましというならそれも一つの考え方では あろうが、その程度では困るのである。これからも大いに 議論したいし、 しなくてはなるまし。 特に、日露関係は、 他の外交関係も同じだろうが、 特定の家に受け継がれるべき「家業」ではないのだ。 昨年9月、日ロ協会の会長の任は、 首相になった由紀夫氏から邦夫氏に バトンタッチされた。邦夫氏は ロシアには行ったこともないが・・・といいつつ、 何と狸穴の駐日ロシア大使館で就任パーティをして披露した。 友好・親善・協力と何でもいいが、 両足をきちんと日本においてほしい。 菅さんが鳩山さんに 日露関係を委ねるならば こんな恐ろしいことはないというのが、 普天間問題への取り組みを見ていて つくづく思ったことだ。 しっかりした準備も検討もなく、 思いつきで、ふらふらやるのは、 科学者としては当然の実験に向う姿勢に違いあるまい。 しかし、国家や社会は、 まして外交は、口出した言葉は加速して進むのである。 そこのところをきちんとわかっていない鳩山さんと 外交オンチの菅さん。危なくて見ておれないというのが 私の本心です。 2012年のロシアの大統領選挙までは 日露関係は動きません。メドヴェージェフが プーチンにできなかったことに挑戦できる わけがありません。 「日露双方の政治の安定、 できれば日本の経済がよくて、 ロシア経済が窮乏を極める」ときを得、 世界が安定し、 国民の輿論が不動・不退転で、 双方にいい人材がいれば、 北方4島は必ず帰ってきます。 菅さんも鳩山さんも、 そこのところはよ〜くお考え下さい。 こういう国家の主権問題を丸投げするしかない人は 総理になるべきではありません。 |