ブログの更新に思う [2010年03月26日(Fri)]
私はどうやら他の人に比べ、ブログを頻繁に更新しているようだ。 このため、これはありえないとまで、怪訝に思われ 不信に思われる方もいらっしゃるようです。 ま、そうかもしれませんね。 「いい歳こいて、そんなに暇なのか」 「複数の人でやっているに違いないという」声も 聞かないではありません。しかし、もちろん、 これまで、そういうことは一度もないのです。 それは、粗製乱造、よく言えば短時間(平均10分余)で すぐ書いてしまうということです。 大学院の最後の頃は、 きょう亡くなられた大森実氏のところに入り浸っていました。 それもあって、単位はちゃんと取得していたのですが、 論文は3年も遅れ、修士号は5年目のぎりぎりに いただいたのです。 研究所に出入りして程なく、 「毎日、何でもいいから400字詰め原稿用紙に10枚以上、 死に物狂いで書いて持って来い」といわれて 1ヶ月以上それをやり通しました。鍛えられましたね、これは。 最初の一週間は快調に書けました。朝、机の上に置くと、 名前だけ見てビリビリ破って捨てられたのです。 今の言葉で言うと「ムカ」ついたのですが、 当時だってハラが立ちました。それでも、 「死に物狂いで」と言われて「ハイ」と応えたことですし、 書くことがなんとも楽しかったのです。 それは今でも同じです。 次の週になると、拙文を一応、 めくっておられたようです。原稿用紙の使い方が正しいかどうか くらいは判断しておられたのかもしれません。 何もいいません。3週間目になると、悲しいかな、 当方がタネ切れ、テーマが続くかなくなってきました。 まさか、1週間目と同じテーマで書くということは出来ないし、 中身が枯渇して、まさに苦吟・呻吟するようになってしまいました。 学識は愚か、人生経験も、調査・取材能力も乏しいのですから、 弱りました。 ところが、そこからが本格的な指導のはじまりで、 「百貨店の今」「韓国内政の行方」「ハワイはアメリカか」などという テーマが逆に与えられ、一晩で書き上げると、 誤字脱字を諌められ、視点の過不足を指摘されました。 4週間目。今度は好きなだけ長く書いていいと言われ、 真っ赤に訂正され、挙句はそれを30分以内に400字にせよ、 5行にまとめよ、などと命じられるのです。 若いころにいい指導者に出会うということは、 当時はブンむくれ、反抗し、自棄酒を飲んでいましたが、 今、この歳になってそれがどれだけありがたいことでしょうか。 私は聖心女子大で4学年に共通の授業を持っていますが、 昨年は121人の学生に毎週「宿題」を出して、 3日以内にメールで回答せよとし、一人ひとりに 残る3日以内にメールでコメントし続けました。 これなども、「大森精神」なのかもしれません。 感謝とともに合掌し、ご冥福を祈ります。 |