「大いなる秋田」とは [2010年02月21日(日)]
![]() 私は(怖いもの知らずですので)、 5月23日に杉並公会堂で行われる 交声曲「大いなる秋田」に合唱のテナーで出演します。 先日そこまで書いたところ、横浜在住のSくんから 「そんな曲があるのか、東北には各県がそんな曲をもっているのか」 と質問が来ました。 そこで、この曲について少し説明させていただきます。 「大いなる秋田」は、1968年(昭和43年)の 明治百年記念事業として、その2年前、 当時の小畑勇二郎秋田県知事が作曲家・石井歓に依頼して 制作したスケールの大きな名曲です。 石井歓の父親・漠は秋田県出身の舞踊家であり、 わが国のバレエの先駆者といっていい存在です。 全体で三四分という大曲。第一楽章「黎明」、 第二楽章「追憶」、第三楽章「躍進」、 第四楽章「大いなる秋田」の四楽章構成。 第三楽章に秋田の生んだメロディスト・ 成田為三の「秋田県民歌」(1930年作曲。 作詞は倉田政嗣のものを高野辰之が補作)、 第四楽章にはわが高校の同期生であり、 一緒に吹奏楽をやっていた菅原良昭くん作曲の 「秋田県民の歌」(作詞は大久保笑子)が挿入されています。 菅原くんは当時、テューバを吹いていました。 原曲は吹奏楽と合唱による曲としてできたものですが、 それを佐藤菊雄先生(私はその兄の敏雄先生に 中学時代に音楽を教わった)がオーケストラ編成に編曲し、 これまた素晴らしい内容になっています。 私は今、毎日、そのCDを聴き、楽譜を読んでいます。 往復の通勤時、地方への飛行機や新幹線の中、 (まるで、大音楽家のように?)楽譜とにらめっこです。 作曲された当時の秋田には、私が高校2年の時にできた 市民オーケストラがあり、 「未完成」や「田園」などに挑戦していましたが、 とてもこのようなスケールの大きな込み入った曲の演奏は 無理な時代で、吹奏楽と合唱による交声曲となったのでした。 奈何せん、私が高校を出てからできた曲ですので、 私にとっては今回初めて聴き、 初めて楽譜を見る曲ですが、 秋田の人たちには学校教育などを通じて、 相当浸透しているようです。 歌詞をご紹介します。北秋田地方の子守唄や 男鹿半島のわらべ歌も盛り込まれてみます。 さらに民謡や秋田の踊りのリズムが組み込まれ、 郷土の情緒たっぷりの内容になっています。 歌詞をご紹介しましょう。 第1楽章 わがふるさとよ うるわしの故郷(くに) みのり豊かに 幸みてる故郷 光り富む海 緑濃き山 とわに変わらず とわに栄ゆく ああ なつかしの ふるさと 母なる故郷 秋田よ ああ いつの日も たゆむことなき ふるさとの人 大いなる故郷 ひらけゆく故郷 いざやたたえん とわの栄え 高らかに 歌えよ いざ 大いなる故郷 光りみてる故郷 いざや歌え ことほぎの歌 第2楽章 ねんねこ ころろこ ねんねこ ころろこヤ おれの めんこなば なしてなく…… あられやコンコン まめコンコン いわしことれたら かごもてこい あられやコンコン まめコンコン はたはたとれたら たるもてこい 第3楽章 秀麗無比なる 鳥海山よ 狂爛ほえたつ 男鹿半島よ 神秘の十和田は 田沢と共に 世界に名を得し 誇りの湖水 山水みなこれ 詩のくに秋田 めぐらす山々 霊気をこめて 斧の音響かぬ 千古の美林 地下なる鉱脈 無限の宝庫 見渡す曠野(ひろの)は 渺茫霞み 黄金と実りて 豊けき秋田 篤胤 信淵 巨人の教え 久遠に輝く 北斗と高く 錦旗を守りし 戌辰の栄(はえ)は 矢留の城頭 華とぞ香る 歴史は芳わし 誉れの秋田 民族勝れて 質実剛毅 正義と自治との さとしを体し 人材遍く 育みなして 燦たる理想に 燃え起つ我ら 至純の郷土と 拓かん秋田 <注>3 番「篤胤〜誉れの秋田」、4番「民族〜拓かん秋田」は 通常省略される。明治維新の時に秋田(佐竹)藩は いち早く抜けた「奥羽越列藩同盟」を敵にまわして薩長につき、 孤軍奮闘したことを表しているが、 県内には同盟に残った小藩もあり、 今頃歌うのはどうかということがあるようだ。 第4楽章 朝あけ雲の 色はえて 仰ぐ はるかな 山々よ つらなる町も 緑の村も 平和の光り みちている ああ あこがれの わが秋田 みんなで みんなで 歌おうよ 流れは大地 うるおして 実る稲穂よ すぎの香よ 資源はゆたか わきでる油田 希望の力 たくましく ああ 産業の わが秋田 みんなで みんなで 伸ばそうよ 湖深く 海ひらけ 雪に 鍛えて 健やかに 働く日々も 憩いの夜も 文化の恵み 語り合う ああ しあわせの わが秋田 みんなで みんなで 進もうよ <注> 2番の「流れは大地〜伸ばそうよ」は一般的には歌わない。 今回も、「湖深く〜進もうよ」に飛ぶ。 ところで、Sくんからのもう一つの質問、 「東北では各県にそんな曲があるのか」ですが・・・ 結論は「わかりません」。しかし、 「大いなる」というのはわが秋田にのみ ピッタシのような気がするのですが、 これいかに? そうそう、Sくんの横浜には 森鴎外作詞、南能衛作曲というすばらしい「横浜市歌」が ありますよね。 お国自慢「ふるさと讃歌」大会でもしたらいいですよね。 音楽家を多数輩出しているのも断然秋田ですし・・・。 |






