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「中国の軍事力」、役立ちます [2009年07月07日(Tue)]



         



   定価800円。AMAZONでも買えるし、
  ユーラシア21研究所(電話:03−3500−1215)でも扱っている。
  国際情報センターは、
  mail:lkokusaijoho_center2009@yahoo.co.jp
電話は、03−3316−2287










         




   訳者兼発行者である茂田 宏 大使(前日本財団特別顧問)









 尊敬する茂田 宏氏は先月まで、
日本財団の特別顧問の要職にあった。

先日、「いやぁ、これからは小なりといえども出版社の社長ですよ」
と笑いながら、任期満了で退任というご挨拶にやってこられた。

 外務省切手の理論派で、ロシア課長、駐露公使、情報調査局長、
経済協力局長などを経て、次の駐露大使かと、衆目が一致して
期待していた。

 しかし、なんだか難しい病魔に襲われ、しばし療養生活、
その後、健康も落ち着かれ、
情報の国・イスラエルの大使として活躍し、退官した人。

「で、何? その小さな出版社って?」
「国際情報センターといって、職員はワイフだけ。
二人でいい本をいろいろ出すんだ」
「へぇっ、大使から社長ですか」(笑)
と相成った。

 さきほど突然、立ち寄られた。おそらく、理事を務めている
岡崎研究所(岡崎久彦代表)にでも来られ、隣室の私のところにも
顔を出してくれたのだろうが、
「社長としての第一作がこれだよ」。

 去る3月25日、ペンタゴンが米国議会に提出した報告書を
5人の元大使が手分けして翻訳したものを“社長”がまとめたもの。

 訳出の理由として、

@ 中国の軍事力が急速に増強されていることの、
日本にとっての意味を探る、
A アジア唯一の先進工業国だった日本、
軍事大国ではないままきた日本は
北朝鮮や中国の軍事力の変化で
「パラダイム・チェンジ」を迫られているのではないか。
それを考える上でこの報告書は実に重要なデータになる、
B 同盟国アメリカと危機意識を共有するべきだ、
という3つを掲げている。

「報告書」であるゆえに「文章は硬く、重複も多く、読みづらい」が、
翻訳は「正確を期し、読みやすさは重視しなかった」と、
堂々と居直って?いる。

 この一書は、実に価値ある翻訳である。読みづらい人は、
最初のペイジにある、「要旨」をしっかり読んでしまうと後が楽だ。

 B5版72頁だが、カラー印刷の地図やグラフなどが多用されており、
一気に読めた。

 大使を経験されたみなさんが、こういう分野で
「社会貢献」されるのは、もしかして、”本邦初演”? 
すばらしいことではないでしょうか。

 国際政治、安全保障に関心のある学生、院生、研究者に
強くお勧めしたい。

「小さな大出版社」の社長として、茂田大使のさらなる活躍を祈る。
空母と母と女性 [2009年07月07日(Tue)]













「カミサン依存では人後に落ちない」と自称する
札幌の「道産子」氏からです(一部略)。

   ○●○●○●○●○●○●○●○●○●

中国空母のお話、「目から鱗」です。
プロの見識とは、こういうものなのですね。

これこそが素人に通じる「語法」と「語彙」ということでは?
と愚推しております。

 男性は特別に母親への思いは強いと一般的には言われますが、
女性にしても、誕生からの数年は、圧倒的に
「母親」に依存しなければ
生きていけないのが人間の赤ちゃんだろうと思います。

とすれば、この世で真の力をもっているのは、
「女性」なのでは? 
と粗末なアタマは類推する次第です。

第一、 私達は「母国」といいますが、建国の父はいても
「父国」とはあまり耳にしません。それほど、私たちは
「母」を、母である「女性」を敬して止まない
何よりの証では……と素人解説です。

  ○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●

そこで、「女性」を敬して止まない点に関しては
人語に落ちない(はずの)小生は返信しました。

米軍の空母のパイロットたちと3年ほど前に硫黄島で
いろいろ話しました。

彼らは空母のことをcarrier(運搬船)といいますが、
日本では、「空母というんだよ」
「kooboh? What does it mean?(何 それ?)」
「つまり、pailots' motherというゆな意味だよ」
と教えたら、
その気分がよくわかると異口同音に言っていたのを
思い出します。

 どうやら空母を旅発つと、
ひたすらあの大艦に抱かれに戻ってきたい
と思うそうなんです。

 過ぎし日、ミッドウエイ海戦をはじめ、日本の連合艦隊は
多くの空母をうしなった海戦を経験しました。

 そのときには、上空に飛来したまま帰艦できなかった搭載機も
たくさんあったのです。

 そして燃料が切れて着水し、亡くなったパイロットもいれば、
米軍に救助されて捕虜生活を送った人も随分います。

 昔、『聞書き 日本人捕虜』(図書出版社)という本を
上梓したことがあります。

 そのとき、空母に帰艦できなかった人たちの話も随分聞きました。

 やはり、空母は母なんですね。

「女性」のありがたさを、きょうも思い出させていただきました。
道産子さん、ありがとう。

お互いに「女性」を軽視、もとい、敬し続けましょうね。
「たわむれに」と「たはむれに」 [2009年07月07日(Tue)]







 2008年12月、「たわむれに」沖縄県ブセナで撮影したもの。





「啄木の母」と題して、小欄は昨日、
「たはむれに・・・」の名歌について触れました。

 早速、大田区在住の「仙人」さまより、
「たはむれに」なのはいいが、ならば、「背負ひて」であろう、
とお叱りをいただきました。

 ごもっとも。<素直な性格の私>は早速、
「背負ひて」に直しました。

 たはむれに 母を背負ひて そのあまり 
       軽きに泣きて 三歩あゆまず

 ところが、<素直ではない私>は、
この歌に曲をつけた越谷達之助の記念会(八尋敏行代表)発行の
『越谷達之助作曲 歌曲集 啄木によせて歌える 石川啄木作歌』を
開いてみた。

 すると・・・
歌の題は「たわむれに」、「背負いて」となっているのです。

 これは日本語(文語、旧かなづかい)としておかしいのです。
 昭和6年4月4日と作曲した日まで印字されているのです。

 そこで、<行動派の私>、もとい、<軽率な私>は
同記念会に電話して問い合わせてみました。

「これはね、戦後、越谷先生がご自分で出版されたものを
そのまま復刻したものなんですのよ。歌い手が発音を間違えないように
したのかしら」。

 もう一度<素直な私>は、他の作品と比較してみました。
「はつこい」「さまよえる」「やわらかに」であり、
「はつこい」「さまよへる」「やはらかに」でないところをみれば、
越谷先生という人の一つの作為があったのだなと、
ややナットクした次第でした。

 ややというのは、作曲した作品をいじるのも、
歌詞の表記を変えるのも、やってはいけないのではないかと
思うからです。文語文を現代仮名遣いで読むのは
いかがなものなのでしょうね。

 だんだん「あやしゅうこそものぐるおし」くなって来ましたので、
このあたりで・・・。
両陛下のカナダご訪問 [2009年07月07日(Tue)]








  天皇皇后両陛下をお迎えした
 カナダのジャン総督。








 カナダの国家元首がエリザベス二世女王であることは
言うまでもない。英国の自治領という形になっているのだから。

 但し、総督が女王を代表して事実上のカナダの元首である。

 今回の天皇皇后両陛下のカナダ訪問を迎えたのは
ミカエル・ジャン総督。女性なのに
どうしてミカエル(マイケル、ミッシェル)というのかは
よくわからない。

 私に薫、晴美、治美、和美といった
「ボーイ」フレンドがいるようなものか。

 初の黒人総督。去年だったか、アザラシの心臓を生で食べたことが、
大きな反響を呼んでいた。

 閑話休題。
そのジャン総督、11歳にしてハイチからやってきた
難民なのだと聞く。カナダの「大きさ」、カナダ社会の包容力を
知る思いだ。

そのジャン総督、素敵な緑のドレスで、晩餐会のマイクに立ち、
なんと日本語でスピーチを始めた。

「天皇皇后両陛下をお迎えできました誠に光栄でございます」。

 私はますますカナダが好きになった。

聞くところに拠れば、今回の両陛下の訪加にあたっては、
わが恩師・橋本祐子(さちこ)先生門下生の
敏子エイデルマン先輩(通訳)も、
カナダ政府側で奔走しているとのこと。

まさか・・・、もしかして・・・。
中国空母の脅威 [2009年07月07日(Tue)]





     2009年4月13日、
    米原子力空母「ジョージ・ワシントン」離着陸甲板に立つ筆者。
    左は、案内してくれた古澤忠彦提督(元海上自衛隊横須賀基地司令)












国際派ジャーナリストPさんからのメールです。

この“大物“ジャーナリストはいつも、実に謙虚に
多方面から情報を収集され、私を啓発してくれます。

    ☆☆☆  ★★★  ☆☆☆  ★★★

今日、あるメディアの安全保障担当記者と中国担当研究員と話して
やはり
しっかりした専門家の見解は傾聴に値する、と思いました。

中国の空母建設に関して
「日本では”脅威だ”、と言う人たちが声を挙げているが?」
と問うと、
安全保障担当記者は
「空母を一隻作ったからといって
全く脅威ではありません。
巡航ミサイルで簡単に撃沈できます」
と一刀で切り捨て。

せいぜい3隻建造して
2隻を常時配備(1隻は定期的な点検・修理と乗組員のリハビリ)すれば
ある程度、周辺国への脅しにはなるでしょう。

それでも空母の維持には膨大な経費がかかり、
非効率であるだけ。

アメリカだから8隻体制を維持できているだけのこと。
それも世界中に通信網と寄港地をめぐらせることが出来ているから。

横須賀、佐世保がなかったら力は半減する。

中国が空母を持っても重荷になるだけです。

と解説してくれました。

先日、ユーラシア21研究所の政治外交懇話会で
元空将のAさんが端的に
「脅威ではありません」と指摘された意味が判りました。

軍事産業やイデオロギーの代弁者となる専門家も危険ですが
素人の防衛論議ほど怖いものはありません。

    ○●○●○●○●○●○●○●

 米第7艦隊所属原子力空母ジョージ・ワシントンを
見学に行ったとき、7艦の広報官が中国の空母は
中国が空母をほしがるのは、大国意識以外の何物でもなく、
クルージングミサイル、空対地ミサイルで航行不能にすることは
たやすいと言っていました。

 JDAM( ジェイダム=Joint Direct Attack Munition。
統合直接攻撃弾薬)を使えば、米軍なら一発で中国の空母を
撃沈できるでしょう。 

 お話された安全保障の専門家が、「各地に基地がないと力が半減」
という話は、「なるほどな」と感心しました。

 ただ、これについては、
同広報官は原子力空母なら
戦時には半年は帰港不要と言ってましたが、中国の空母は、
石油燃料のものでしょうから、基地があちらこちらに
必要になるわけなのでしょうね。

 要は、中国の国威発揚、国民への元気付け、
軍人の気休めといったところが本当のネライなのでしょうか。

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