チェコ通信、意外にいい教師かも [2009年02月27日(Fri)]
早稲田大学政経学部時代の同級生吉田晃治くんが、 チェコのパラッツキー大学に日本語講師として再赴任した。 われら「前期高齢者」の星、 ボランティアとしての見事な挑戦に頭が下がる。 続編「チェコ便り第1号」が送られてきた。 ☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜ ・ 2月16日(月)成田発13:05 モスクワ行き アエロフロートSU582便に 搭乗すべくセキュリーティーチェックを受けていました。 アラームが鳴って税官吏に取り出されたのは3点、 アタッシュケースに入れた筆箱の文具用ハサミと ペーパーナイフ、 そして、今朝入れてきた紅茶のテイーポット。 『シマッタ!』と思うも既に手遅れ。まごまごしていたら 見兼ねた若い女性係官が、 搭乗便の航空会社に機内荷物に入れてもらうよう 交渉してみてはどうか、と。 その足で頼みにいったら、荷物と一緒ならOKと。 手元にはアタッシュケースの他に もう一つ機内持込用の鞄。 即座にそれを差し出しながら内心の声、 <重量制限20Kgsの筈、先の荷物が23、 今回15、ひょっとしたら18Kgsのオーバーチャージを 請求されるかも?>。 結果は杞憂で、ハイOK。 機内荷物20Kgsのところ、 38Kgsも、無料で預けてしまいました。 余談:紅茶はその場でバケツにジャー。 お別れに慌てて一口で、舌に火傷を負いました。 ・ オロモウツのアパート事情が極めて悪いことを 入国後一週間たって知りました。 前回は事前に講師寮が取れていましたが、 今回は当面の10日間のみ、 アトは民間アパートになり、 差額は本人負担、ということでした。 『ままよ!』と来てみた事が大失敗。 ここ数年来政府は大学生増員計画を示しており、 増員した分だけ予算補助が出る。 オロモウツの人口10万人のところ、 パラツキー大学の総学生数は1万2千人で約一割。 チェコの大学も学制改革により 日本並みに”自分で稼げ”が原則で、 学生寮といえど大学とは切り離された独立採算制、 民間並みに寮費は高騰しています。 寮やアパートは9月の新学期こそ動きがあるものの、 その後1年間は動きなく 今回2月は学生の出入りがない時期で、 空き部屋を見つけるのが極めて困難です。 民間アパートでは3ヶ月とかの短期契約を嫌う。 賃貸料は不動産屋への謝礼が1ヶ月、 敷金・礼金で1〜2ヶ月、合計3ヶ月の契約で 5〜6か月分の家賃が必要になる。 アトはペンションやホテルの長期契約だが、 家賃は数倍。どちらを向いても『トホホ!』 ・ 授業は先学期と変わらず『日本事情』。 ・ 難しいとか漢字が多いとか間接的に批判を浴びたので 表面上だけでも修正せざるを得ないか。 そうだったら直接言え、と腹の虫が収まらないが。 そんな中で今期から新入りの3年生との差しでの授業。 『私の好きな日本の諺は、 欲しがりません、勝つまでは、です。』 『ホー、誰が教えてくれましたか?』 『オロモウツに来た若い日本のシンガーです。』 『この諺は努力する人を鼓舞してくれる良い諺ですが、 もう一つの意味を知って下さい。この前の戦争で 日本を軍国主義に導いた指導者が プロパガンダに使った言葉です。 戦争を知っている日本人は この言葉を聴くと反射的に身構えます。』 『先生、その説明は今日初めて聞きました。 アリガトゴザイマス。ウレシイデス。』 ☆ .。.:*・゜☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜ ボクは、欲しがります、第2信。 あいつ、意外にいい先生になってるのかも。 |