• もっと見る
« 2008年08月 | Main | 2008年10月»
<< 2008年09月 >>
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30        
最新記事
カテゴリアーカイブ
月別アーカイブ
時計台の町ザルtルブルクG [2008年09月30日(Tue)]







































政局か生活か [2008年09月30日(Tue)]




     
  VS  








「生活が第一」と掲げてきた民主党が、昨今、「国民の生活が第一」と書き換えた。

 小沢党首や鳩山幹事長はいつもそう書いた表示の前で会見している。

 小欄はかねて、小沢さんは「生活が第一」ではなく「政局が第一」ではないのか、と“揶揄“、もとい、”正鵠を射て“きたが、ほかに権威ある人たちからも冷やかされてきたからに違いない。

 昨日の麻生首相の所信表明演説では、民主党批判に的を絞り、12回も民主党の名を挙げて、「政局第一」であり「生活第一」ではないと断じた。

 従来の所信表明演説は、格調の高さからいうとこんなものではなかった。

 演説の名手である三木武夫氏でさえ、推敲に推敲を重ね、最後は、安岡正篤氏に補筆してもらっていた。

 わが師・末次一郎に言わせれば、池田勇人首相以降の何代かの首相の演説は、読み比べると、必ず、本体とは一味違った部分があるというのだ。実際に、一緒に比較して研究したこともある。

 かの東條英機陸相が1941(昭和16)年1月に発した「戦陣訓」も、島崎藤村ほかの手を経て発表されたものである(詳しくは、拙著『聞書き 日本人捕虜』図書出版社)。

 そうした文体から言えば、麻生演説は、まさに麻生流。民主党をはじめとする野党に対して、「さあ、来い!」といわんばかりの果敢な啖呵とさえ聴こえた。

 内政ではきったはったが数日続くだろうが、補正予算はどうするのか。安全保障や国際関係でも、そして昨今は経済でも世界中が大騒ぎ7月以降、国政は何もしていないという現実に、国民は恥ずかしささえ覚えつつある。

 さて麻生・小沢対決が、国民の政治への参画意識をどこまで高めるか、いずれ近々行なわれる総選挙で審判が下るのであるが、不毛の論戦になりはしないかと心配だ。
| 次へ