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日本は独立国にあらず?! [2008年07月31日(Thu)]



  「日本は独立国ではない」と発言するアンドレ・フェシュン支局長











「日本は独立国ではない」、よく言ってくれたよね。

 7月24日、ユーラシア21研究所が主催した月例の「虎ノ門フォーラム」で講師をつとめたノーボスチ・ロシア通信社のアンドレイ・フェシュン東京支局長の発言である。

 司会をしていた私は、「冷戦時代のソ連の人がタイムカプセルから戻ってきた」とあきれて落ち着いていたが、会場の皆さんの中には、かなり憤ったり、興奮した人もいたようだった。

 すかざす、岡本智博元統幕事務局長(元駐ソ防衛駐在官、ユーラシア21研究所主任研究員)、斎藤元秀杏林大学教授、平林敏夫元中央公論編集長、袴田茂樹青山学院大学教授(ユーラシア21研究所理事)らが厳しく反論した。

 特に袴田教授は、「平和条約を不要と言うのは間違いである。また、双方が満足する領土問題の解決というのはありえないことを述べているにすぎない」と述べ、講師が返事に窮した。

 私も司会者の立場を超えて少々、皮肉を交えながら反駁したが、これ以上議論になったら、
「イギリスはイラクでもアフガニスタンでもアメリカと同一行動を採った。これに対して、日本は出来ないことは出来ないと断ってきている。イギリスは独立していないどころか、対米隷従とでもいうのか」
「それともあなたは日本は日米安保条約を廃棄して、発展した独立国らしく、核武装でもした軍事大国に戻れとでも言うのか」
とのセリフを用意していた。

 私どもは1973年の第一回日ソ専門家会議以来、この3月の「日露専門家対話2008」まで、通算26回モスクワと侃々諤々、喧々囂々の果し合い、否、話し合いをしてきている。サハリンとも10回やっている。

 詭弁に対する詭弁、また否、詭弁に対する正論での押し戻しは、いわば得意とするところである。

 終了後、「ハラハラした」「むこうの言うことにも一理あると思い込むところだった」という人が何人かいた。

 お互い日本人、法と正義、歴史的事実、積み重ねられてきた協議や文書に基づく、われらの正論に自信を持ちたいもの。あの程度の詭弁や強弁にへこたれてはいけない。

 講師のほうが、「こりゃ手強いぞ」と、これからの自国内向け報道では、少しは正しい認識を伝えてくれるのではないかと、とりあえずは期待しておこう。
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