北方領土との交流 [2007年09月15日(Sat)]
![]() 友好だけでは不十分 ![]() 国後島の「友好の家」玄関前で ![]() 歓迎を受ける外務省からの随行職員 北方領土には、日本人の定住者はおらず、 遺憾ながら、 ロシア人のみが生活している。 だから、それだけを見れば、北方領土は 日本人にとって「一番近いヨーロッパ」なのである。 誤解を招かないように言わねばならぬが、 それは文化や生活についての話であり、 もとより、その地は日本固有の領土であり、 ソ連に占拠されるまでは、 営々として日本人が日本文化を営んでいたところである。 しかし、根室の港からわずか5、6時間の航海で 国後島の古釜布(ふるかまっぷ)に着くと、 そこで生活しているのはロシア人であり、 その宗教はロシア聖教であり、 話す言葉はロシア語である。 民族衣装を着た女性がパンと塩をもって 埠頭で出迎えて歓迎するという行事は、 今回は 「友好の家(通称:ムネオハウス)」の玄関で行なわれたが、 一つまみのパンを取って客人を歓迎するという ロシアの慣習を示すことによって、 日本人来訪者に現実を強く認識させようとしているのだな、 という思いが深層に流れた。 1993年に第1回「ビザなし訪問」団の一員として この地に着いた時は、 芸術学校の生徒たちが踊る チャイコフスキーの「白鳥の湖」で歓迎された。 稚拙さはともかく、 私には何度も見たボリショイ劇場での華麗なバレエの舞台を 連想させられた。 また、悪意あってのことではないだろうが、 「ここはヨーロッパ」を強烈に印象付けられ、 少々ショックを受けた。 近年の交流は、 しばしば「歌って踊って乾杯して」という方向に流れ易く、 真摯な対話ができにくくなるという傾向なしとしない。 既に日本人の訪問者は1万人、 島側からのロシア人訪問者は7千人を超えた。 来月は、島から富山県を訪問する一行が来る。 「越中おはら節」でもいっしょに踊るのだろうか、 いろいろな歓迎行事が企画されているものと思われる。 しかし、四島との交流は、友好だけでは不十分だ。 相互理解を促進し、恐怖や不信を取り除くことが、 返還にとってプラスになるということのためだという 初心を忘れてはなるまい。 |








