• もっと見る
« 2006年11月 | Main | 2007年01月»
<< 2006年12月 >>
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            
最新記事
カテゴリアーカイブ
月別アーカイブ
ならば店ごと買いたい [2006年12月14日(Thu)]









 それにしても世の中にはいろんなことがある。

 今度は、ワインを入れるグラスの話。

 東京駅に程近いところにあるCレストランでは、入口の左に、銀杯が鎮座している。防弾・防剪ガラスに入っているし、それこそSECOMがバッチリ警備している。高さ20センチほどの銀杯である。ユダヤの「ダビデの星」のマークが浮き彫りになっている。ユダヤの祭礼に使う聖杯だそうだ。

 ある時、さるユダヤ人の豪商がこれを見つけてこういう仕儀になったとか。

「あの銀杯がほしい。金はいくらでも出す」
「いや、それは困ります。あれはAさんからお借りして居るもので」
「このワシが頼んでもだめかね」
「ご無理かと存じます」
「ワシはどうしてもほしい」
「では話だけはしてみましょう」
「1億円はどうじゃ」
「はぁ?」
「何で納得しない?」
「手前どもが言うのはなんですが、あれは銀杯ですから・・・」
「安すぎるというのか、不満足か?」
「・・・」
「分かった。では、店ごと買おう。いくらなんじゃ」。

 世の中にはいろんな人がいるものだ。じっとわが手を見るほかない。
ワインと杯の優雅な話 [2006年12月14日(Thu)]








  忘年会続きで「おのおの方」もさぞ、ご機嫌かと思う。
余もかなりご機嫌であるぞ、ウィ〜〜ッ!

 いやはや、今年は平年に比べ、私自身が東京財団を退くことにかこつけた歓送忘年会が連日連夜。名目的であれ「主賓」なので、毎晩、たっぷり飲まされ、盛り上がっている。

 さは、さりながら、学生と飲む1杯300円の焼酎の夜もあれば、これがかの有名なという、1本10万円はくだらないという、すごいワインをご馳走になることもある。

 おのおの方、いつの日か、ブログに書いたものがそのまま実物になるなら、その日まで長生きしようではないか。

 この写真、上はルイ・ラトゥール社の「コルトン・シャルルマーニュの90年」。京橋のシェ・イノでの前菜用の白でした。下が、「シャトー・デュクルボカイユの75年」。赤。

 つくづく、「長生きしてよかった」という美味。

 勘定? 私が払えるわけがないじゃないですか。持つべき者はよき友なり。

 自宅にワイン1万本はあるという御仁。地下が2つに分かれていて、それぞれが石川五右衛門でも入口が分からないところから入り込む。SECOMが外側を管理しているのは言うまでもない。

 この人、仮にAさんとしよう。20世紀最後の日、私は、とある山奥の美術館で著名なヴァイオリニストBさんのチャリティ・コンサートを開催した。2000年12月31日の23時30分の開演である。

 次第にライトが暗くなり、23時57分には真っ暗になる。それでもバッハの無伴奏が続く。23時59分45秒、白い衣姿の「妙齢の美女」(但し、暗くて分からない)が1本の小さなローソクを掲げて静々と場内へ。

 2001年1月1日、0時0分0秒に太いローソクに点火した。

 厳粛なミレニアムだった。

 やがてバッハも終演。そこで、「おめでとう」「おめでとう」の挨拶。

 このときも、Aさんは「1本10万円クラス」のワインを10本、下さった。そこで、一計を案じ、地元のワイン20本と別々のボールに入れてみなさまに提供した。

 Bさんが貴重な楽器をしまい、汗を拭き、私といっしょにロビーに駆けつけて驚いたのは、「1本10万円クラス」のワインは1滴も残っていなかった。

 かくして、21世紀、私は悔しさのうちに迎えることになった。

 あの悔しさは、ワインを飲むたびに思い出される。Bさんにも気の毒なことをした。

麻生発言への反響 A [2006年12月14日(Thu)]



「択捉島」の挿画は、石田良介画伯のご厚意で掲載させていただいております。禁無断転載。





 今度は、某有力総合雑誌の元編集長からです。

☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜

 最後の虎の門DOJOは予想通りの大盛会でした。
 早めに出かける用意を整えたのですが、電話が入って遅くなりました。
 席の心配をしていただきありがとうございます。
 貴兄より若いので人に譲りました。

「専門家がいるものはすでに古い、古いから専門家がいる」という日下氏の言葉は『論語』にでもありそうな言葉です。

 まさにその通りですが、新しい政策・アイディアは古きを尋ねなければ見出せないことも真実で、大事なのは古典に学び、歴史を研究することだと思います。

 日下氏は保守主義者ですから、当然のことは話さなかったのでしょう。

 吹浦さんは、長い間お付き合いしているDOJOの人からも、どんな人かと訊かれるそうですが、日本人は肩書きで判断するからなどと考えるべきではないでしょう。

 貴兄は顔が多すぎ、かつ既成の組織に収まっていないから、皆さん、脳のファイルに収めかねているのです。

 しかし、これからの日本にはそういう人がますます必要ですし、増えるのではないでしょうか。

 つまり貴兄は先駆者であるということです。

 次のスケジュールがあったので挨拶もせず失礼いたしました。

「ユーラシア21研究所」に期待しています。

 今朝の新聞に麻生外務大臣が北方領土問題について面積2等分案を示したとの報道がありました。

 おもしろい案だと思いますが、残りの部分は永久に帰ってこないと思います。

 原則を主張し続けて、実際は4島すべてがロシア領であり続けることと比べて、日本の国益上どちらが有利か具体的にシミュレーションする必要がありますね。

 最近のロシアはかつての力を失っていたので、日本人は東アジアの外交戦略でロシアを脇役としか考えていない嫌いがありますが、それはとんでもない間違いだと思います。

 中国か日本かと2元的に考えていたら、ゲームをリードすることは出来ないでしょう。


  ☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜


 北方領土問題に関する麻生外相の失言には、今後ともきびしく対応して参ります。4時半からそのための緊急会議です。

麻生発言への反響 @ [2006年12月14日(Thu)]



「択捉島」の挿画は、石田良介画伯のご厚意で掲載させていただいております。禁無断転載。






 昨日の「麻生発言」について、いろいろな意見が寄せられています。

 まず、某有力新聞社の日ロ関係に詳しい記者から。

   ☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜

 今朝この記事を読んで、外務省に問い合わせましたところ、「麻生大臣としては、従来の考え方を述べたに過ぎない。ああいう取り上げられ方をするような発言はなかった」とのことでした。

 もし外務省の説明の方が事実であるとすれば、
麻生は抗議あるいは怒りの表明をすべきではないでしょうか。

 どうもこのところ麻生は、観測気球を上げているようなニオイを感じます。

「毎日」とのインタビューで出た3島案、そして今回。
 
 それもきちんと段階を踏んでいます。

 右翼がどの程度の動きを見せるか、
 返還運動団体がどれくらい反応するか、
 元島民がどう受け止めるか……。

 そうだとすれば、やはり危険な兆候とみなければならないでしょう。
 そこまで考えるのは、うがち過ぎでしょうか。

 今朝の「朝日」に、岩下の「大佛次郎論壇賞受賞に寄せて」という一文が大きく掲載されています。

「私はこの閉塞状況に一石を投じたいと思った。本書の影響かどうかはわからないが、昨今、少なからぬ専門家や政治家たちが「フィフティ・フィフティ」を日ロ関係に応用したケースについて、それぞれ持論を主張し始めた。現実に問題を解決するために、これは通過しなければならないプロセスだろう」などとほざいています。

 本当に「現実に問題を解決するために通過しなければならないプロセス」なのでしょうか。
ユーラシア21研究所 [2006年12月14日(Thu)]
   



 まもなく、ユーラシア21研究所が創設されます。「わが国初のロシア研究所」などと新聞で書かれたり、少々、永田町や研究者の間で噂が飛び交っていますので、以下にその概要を記します。

 実際には、引越しは12月中で、1月早々から積極的に活動を開始します。

 みなさまの特段のご理解、ご支援をお願いいたします。


     ☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜
    

<T>「ユーラシア21研究所」設立の目的
@ 日露間の領土問題を解決して平和条約を締結することを促進する。
A ロシア、日ロ関係研究の後継者の育成。
B その他関連する諸研究の推進。

<U> 新研究所の役割
@ 知的結集による政官学連携の促進。
A 対露外交に関する活発な政策提言。

<V> 事業内容:
a.世界情勢の研究、とりわけ、ロシアを中心とする旧ソ連圏に関する政治・経済・安全保障等に関する総合研究
b.わが国の対露外交戦略に関する研究と提言
c.ロシア語による、日本の政治経済文化などに関する発信(HPや出版等)
d.ロシア関連若手研究者の人材育成
e.関係省庁、ロシアの諸機関、駐日ロシア大使館との恒常的な情報交流等
f.関連する国際会議の開催、出版、研究会・講演会などの開催

<Y> 新研究所の概要
名称:「ユーラシア21研究所」
EURASIA 21 RESEARCH INSTITUTE
所在地:
〒105-0001 東京都港区虎ノ門1−15−16
海洋船舶ビル6階 (地下鉄虎ノ門駅4番出口から神谷町方向に1分。左側)
電話:03−3500−1215 
Fax: 03−3500−0215
開設日:2007(平成19)年元旦

<X> 役員    (理事は50音順)
理事長: 吹浦忠正 東京財団研究推進担当常務理事、元埼玉県立大学教授
常務理事: 吉岡明子 東京財団リサーチ・アソシエイト
理事: 大貫康雄 前NHK欧州総局長、東京財団理事
理事: 木村 汎 拓殖大学教授、北海道大学名誉教授
理事: 西原 正 前防大校長、平和安保研理事長
理事: 袴田茂樹 ロシア東欧学会長、青山学院大学教授
理事: 兵藤長雄 東京経済大学教授、東京財団評議員、元外務省欧亜局長、元駐ベルギー、ポーランド大使
監事: 児玉泰子 北方領土返還要求運動連絡協議会事務局長、歯舞群島志発島生まれ
監事: 野國夫 野興業株式会社会長

謹啓  麻生太郎外務大臣殿 [2006年12月14日(Thu)]









「択捉島」の挿画は、石田良介画伯のご厚意で掲載させていただいております。禁無断転載。





 謹 啓  内外情勢まことに多端の折、貴台におかれましてはますますご健勝にてご活躍のことと拝察致します。

 さて、産経新聞や日本経済新聞など複数の新聞報道によると、麻生外相は昨日の衆議院外務委員会で、北方領土問題について、北方四島(択捉、国後、色丹、歯舞)全体の面積を二等分する境界線を日露両国の国境とする新たな解決案を示したとのことであります。

 貴殿ははさらに「北方領土を(面積で)半分にしようとすると、択捉島の約25%と、残り三島をくっつけることになる。面積も考えず二島だ、三島だ、四島だというのでは話にならない。現実問題を踏まえて交渉にあたらなければならない」と述べたものだそうです。

 これが事実であるとすれば、
@ 国民の悲願これまでの返還要求運動を等閑視し、
A 従来一貫して行われてきた衆参両院の国会決議をないがしろにし、
B 1993(平成5)年に「双方は、この問題を歴史的・法的事実に立脚し、両国の間で合意の上作成された諸文書及び法と正義の原則を基礎として解決することにより平和条約を早期に締結するよう交渉を継続」することを約束した「東京宣言」を無視した重大な失言である

というほかなく、貴殿のこの言動には著しい危惧を覚えざるを得ません。

 いうまでもなくこれらの北方四島は歴史的・法的に不可分の日本固有の領土であり、私はこの「東京宣言」の示した原則に従って、可及的すみやかに四島の日本への帰属を確定されんことを強く望む者であります。

 麻生外相におかれては、速やかに発言を撤回され、「四島一括返還」に向けて、対露交渉にあたられんことを切望いたします。

           吹 浦 忠 正


| 次へ