「サクラ咲く」? 誰に? 分かってます。それでも、なぜ?
挿画は、石田良介画伯のご厚意で掲載させていただいております。禁無断転載。
拝啓
麻生太郎、谷垣禎一、額賀福志郎、山崎拓、二階俊博、与謝野馨、河野太郎、鳩山邦夫・・・のみなさま。
あなたがたが自民党総裁選挙に立候補するのではないかと噂に上っています。でも、安倍晋三さんが圧勝することは、はっきり言って「自明の理」ですよね。
きょうの読売新聞(朝刊)でも、「本社調査」で歴然としていることは明らかです。週末は、ビールに枝豆、安倍晋太郎著になる『美しい国へ』(文春新書)でも読みましょうか。
ところで、安倍さんの一人勝ちとすると、あなた方のネライは何なのでしょうか。愚考するには、以下の3つでしょう。
@ 自民党の活性化をはかるため、無投票にはしたくないという愛党精神
A 来年夏の参院選で安倍さんが「ぽしゃった」場合の「棚ボタ」狙い
B 「総裁選に出馬」という経歴づくりの「オリンピック精神」
このうち、@はあまりに「かっこよすぎ」ですね。Aがネライなら、参院選では全力を尽くさないということですか? Bなら「ご苦労様」と言ってあげたいのです。
ところで、麻生外相、谷垣財相、額賀防衛庁長官、与謝野金融相ドノ。もし、小泉首相の路線や政策と大きく違うことを「立候補の挨拶」ででも言うのなら、即刻、大臣を辞してやってもらわなくては困ります。閣内不一致ではいけないのです。安倍さんは、官房長官というポストですから、これは総理と表裏一体でなくてはおかしいです。ですから、新たなことをいうのはまだしも、小泉批判はありえないわけです。
谷垣さんの先日来の発表など、小泉内閣の一員という枠を超えています。これは撤回するか、閣僚ポストを辞任するしかないのではないでしょうか。派閥の人数もたりません。あなたはこの週末、推薦人20人集めで苦労されるのでしょうね。
来年の参議院議員選挙は確かに重要です。しかし、仮に、それで自民党が大敗しても、衆議院では与党が圧倒的多数を持っているわけで、直ちに「小沢首相」の誕生とは行かないわけです。けれども、そこで「棚ボタ」を、というのはどうもね。
民主党が人材豊富、特に若い国会議員はすばらしいと思っています。9月には、民主党の党首選びもあるはずです。それこそ、党内活性化のために、誰か、小沢さんに対抗しようという人はいないのですか?
河村たかしさんは、すでに4回ほど代表選に立候補したんでしたっけ、あなたの「オリンピック精神」は多としましょう。しかし、民主主義の国なんです。もっと賛同者を増やす努力をし、成果を挙げないと、単なる売名行為といわれかねませんよ。
両党とも事実上、無投票で党首が選ばれるとなれば、日本の政治そのものが停滞し、活気がうすれるにちがいありません。「かっこよすぎ」であっても、やはり皆さんに立候補してもらうのがいいんですけどね。
時節柄、みなさま御身おたいせつに。
敬具