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日本語の奥深さ [2006年07月28日(Fri)]




「花を咲かせる」「ひとはな咲く」は意味が違いますよね。




 似て非なる単語。

「足が出る」「足がつく」、「手足になる」「足手まとい」、「人がいい」「いい人」、「おこわ」「おおこわ」、「手早い」「手が早い」、「目が利く」「目利き」、「お尋ね者」「尋ね人」、「目が遠い」「遠目」・・・。


「お」が付くと意味が違う単語。

「お開き」「ひらき」、「にぎり」「おにぎり」、「お通し」「通し」、「お絵描き」「絵描き」、「お下がり」「下がり」、「おひねり」「捻り」、「お流れ」「流れ」、「お上り」「上り」、「お東」「東」、「おフランス」「フランス」、「おやつ」「八つ」、「お冷や」「ひや」、「お呼ばれ」「呼ばれ」、「お笑い」「笑い」・・・

奥が深いですよね。日本語。

あと、2日間で、東京財団領土問題研究会の共同執筆分担の素稿「15問15答」を仕上げなくてはいけません。「ロシア人からの質問−ロシアからの反論への反論」(仮題)です。この週末、いささか小欄が寂しくなることをご了承ください。
党首選、立候補噂の人々へ [2006年07月28日(Fri)]



「サクラ咲く」? 誰に? 分かってます。それでも、なぜ?
  挿画は、石田良介画伯のご厚意で掲載させていただいております。禁無断転載。




拝啓 
 麻生太郎、谷垣禎一、額賀福志郎、山崎拓、二階俊博、与謝野馨、河野太郎、鳩山邦夫・・・のみなさま。

 あなたがたが自民党総裁選挙に立候補するのではないかと噂に上っています。でも、安倍晋三さんが圧勝することは、はっきり言って「自明の理」ですよね。

 きょうの読売新聞(朝刊)でも、「本社調査」で歴然としていることは明らかです。週末は、ビールに枝豆、安倍晋太郎著になる『美しい国へ』(文春新書)でも読みましょうか。

 ところで、安倍さんの一人勝ちとすると、あなた方のネライは何なのでしょうか。愚考するには、以下の3つでしょう。

 @ 自民党の活性化をはかるため、無投票にはしたくないという愛党精神
 A 来年夏の参院選で安倍さんが「ぽしゃった」場合の「棚ボタ」狙い
 B 「総裁選に出馬」という経歴づくりの「オリンピック精神」

 このうち、@はあまりに「かっこよすぎ」ですね。Aがネライなら、参院選では全力を尽くさないということですか? Bなら「ご苦労様」と言ってあげたいのです。

 ところで、麻生外相、谷垣財相、額賀防衛庁長官、与謝野金融相ドノ。もし、小泉首相の路線や政策と大きく違うことを「立候補の挨拶」ででも言うのなら、即刻、大臣を辞してやってもらわなくては困ります。閣内不一致ではいけないのです。安倍さんは、官房長官というポストですから、これは総理と表裏一体でなくてはおかしいです。ですから、新たなことをいうのはまだしも、小泉批判はありえないわけです。

 谷垣さんの先日来の発表など、小泉内閣の一員という枠を超えています。これは撤回するか、閣僚ポストを辞任するしかないのではないでしょうか。派閥の人数もたりません。あなたはこの週末、推薦人20人集めで苦労されるのでしょうね。

 来年の参議院議員選挙は確かに重要です。しかし、仮に、それで自民党が大敗しても、衆議院では与党が圧倒的多数を持っているわけで、直ちに「小沢首相」の誕生とは行かないわけです。けれども、そこで「棚ボタ」を、というのはどうもね。

 民主党が人材豊富、特に若い国会議員はすばらしいと思っています。9月には、民主党の党首選びもあるはずです。それこそ、党内活性化のために、誰か、小沢さんに対抗しようという人はいないのですか?

 河村たかしさんは、すでに4回ほど代表選に立候補したんでしたっけ、あなたの「オリンピック精神」は多としましょう。しかし、民主主義の国なんです。もっと賛同者を増やす努力をし、成果を挙げないと、単なる売名行為といわれかねませんよ。

 両党とも事実上、無投票で党首が選ばれるとなれば、日本の政治そのものが停滞し、活気がうすれるにちがいありません。「かっこよすぎ」であっても、やはり皆さんに立候補してもらうのがいいんですけどね。

 時節柄、みなさま御身おたいせつに。
                          敬具


独立国の数は? [2006年07月28日(Fri)]




   





「世界に独立国っていくつあるの?」というのは、よく訊かれる質問です。

 先ほども、国際赤十字・赤新月への加盟について小欄で書いたことにからめて、国の数について、ある通信社の方から問い合わせがありました。外務省や日本赤十字社で確認しましたので、「世界に独立国っていくつあるの?」という質問への答えを兼ねて、お返事します。

 まず、国連加盟国とジュネーブ条約加盟国の数について見てみましょう。これが最も加盟国数の多いものの1つだからです。

 国際人道法の典型であり、代表とも言うべきジュネーブ条約は1864年以来、数次にわたって改正され、現在の条約は基本的に1949年8月12日の条約です。ほかに1977年に2つの追加議定書が出来、一層、きめこまかく、人道的見地から戦争を規制しています。

 ご承知のように2002年、スイス(9月10日)と、東ティモール(9月27日)が国連に加盟し、最近では、モンテネグロが今年の6月18日に加盟を果たし、現在の国連加盟国総数は、192カ国となっています。内、わが国は、北朝鮮を除くすべての加盟国と国交を持っています。

 他方、ジュネーブ条約の加盟国数は、今年6月27日にナウルが入って193です。ナウルは太平洋戦争中、日本軍が一番遠くまで進出した、太平洋の島です。

 ここからが少々ややこしいのです。

 国連加盟国で、ジュネーブ条約に入っていない国は、モンテネグロのみです。但し、セルビア・モンテネグロとしては入っていますから、何の問題もなく、おっつけ、加盟手続きをとるか、あるいは、もう加盟していながら、それを管理するICRC(赤十字国際委員会)の事務手続きの遅れで、HPが更新されていないのかもしれません。

「案外、担当者が夏休みで更新が遅れてるんじゃないのかな」という私の「誘導尋問?」に、担当の藤枝職員が苦笑いをしていました。

 他方、国連に加盟していない国で、独立国ないし外交権を独自に持っている地域とみなされているのは、ヴァティカン(教皇国)、クック諸島(ニュージーランドの北東にある同国の自治領)、ニュージーランドと自由連合を組んでいるニウエ(クック諸島とニュージーランドの中間にある)「など」です。このうち、ヴァチカンとクック諸島はジュネーブ条約には加盟しています。ニウエは対人地雷全面禁止条約(1977)や子供の権利条約(1989)などには加盟していますが、ジュネーブ条約には未加盟です。クック諸島もニウエも、わが国はいまだ独立国としては承認していません。

  パレスチチナは先般、ジュネーブ条約に加盟しないまま、特例として、国際赤十字・赤新月のメンバーとして承認されました。日本も国家承認は行なっていませんが、小泉首相は、今月、イスラエルとともに訪問してから、サンクトペテルブルクでのG8サミットに向かいました。

 この「など」が微妙で、チェチェン、南サハラ、クルド、アチェ、東トルキスタン(新疆)、チベット・・・で、独立意識が高かったり、自治権の拡大を求めたり、形ばかりというのも含めて「亡命政府」があったりと多様です。それにしても、いずれの地域でも人権には厳しい情勢が続いています。いずれこれらの問題にも触れましょう。

  東京財団の「アジアの人権」研究プロジェクト(プロジェクトリーダー:山田寛 嘉悦大学教授)では先般、水谷尚子さんが、東トルキスタン(新疆)における「人権抑圧」と「独立運動」について、ペマ・ギャルポさんがチベットの現況と将来について、お話してくださいました。

  世界には、住民の大半が独立を求めていても果たせないところが、未だたくさんあるのです。そして、そうした地域ではしばしば強権による人権抑圧、その最悪のものとして、政府が住民を殺害したり、難民(亡命者)として国外に庇護を求めるほかない状況下にあるのです。

  結論として、独立国の数は、国連、各国政府、条約の管理者、亡命政権・・・によって違うということになります。

セメントとコンクリート [2006年07月28日(Fri)]






   昔は、レンガや意志を組み立ててゆく工法が大半だったのに。 挿画「明治公園」(根室市)は、石田良介画伯のご厚意で掲載させていただいております。禁無断転載。




 一級建築士が建てたホテルやマンションが手抜き工事を偽装したものだったというのは、専門職の人を心から尊敬する私にはショックだった。「運悪く」だまされた人たちに同情するとともに、これが「氷山の一角」でないことをひたすら望むほかない。

こうした工事や道路の舗装に必ずといっていいほど使われるのがセメント。これに水と砂と砂利を混ぜるのがコンクリートであると、中学校で習ったが、さて、そもそもセメントって何なんだろう。セメントをどうすればコンクリートになるのかな。

 これについては、『広辞苑』が解りやすい。曰く、セメントは「土木建築材料として使用する接合剤」。これで必要にして十分である。しかし、さらに曰く「通常、粘土を含有した石灰石や粘土などを焼いて粉末にしたもの」。

 そうか、そういうものなのかと私のような素人は説明の仕方に感心し、納得した。重ねて曰く「水で練るとすみやかに凝結し、乾いた後は固まって水に侵害されない」。これでようやく身近になった。英語では土木建築関係や歯科、陶芸などにおける接着剤の総称がcementである。

 他方、コンクリートは、そのセメントに「砂、砂利、水を調合し、捏ね混ぜて固まらせたた一種の人工石」これもまた必要にして十分な説明である。さらに「圧縮に対して抵抗力が強く、耐火・耐水性が大きいので鋼材と併用し、土木建築用構造材料として使用」するとある。「混凝土」と訳して使うこともある。

 この「鋼材と併用し」が重要で、コンクリートの弱点は、引っ張り力に弱いこと。このため鋼材によってそれを補うのであるが、昨今、あたかもこれを規定の量だけ使用しているかのごとく偽装した事件が続いている。地震国日本の専門職業人としてあるまじきこと。道徳観の欠如はそこまで来たのか、嗚呼。

 英語で鉄筋コンクリートはreinforced concrete。Reinforcedとは「強化した」の意。


ご栄転、おめでとう [2006年07月28日(Fri)]


    




 外務省では8月1日で転任となる人事が多い。

  さきほど、外務省へ行き、吉川元偉中東アフリカ局長に慰労とお礼のご挨拶に参上した。

  直接の用事は、今月末で離任する同局長に、東京財団関連の「イラクに毛布をおくる運動」「サマワからの招聘事業」などで協力いただいたお礼の言上だが、同行した難民を助ける会の堀江良彰事務局長と、先週、アフガニスタンから戻った日野愛子さんを紹介し、同会の中東アフリカ地区での活動について、担当官ともどもご理解いただく機会にもしていただいた。

 吉川局長は、このあといきなりスペイン大使に転進の予定。思わず「ご栄転、おめでとうございます」と言ってしまった。

 外務省の中には語学別に「○○スクール」とか「○○サービス」という分け方があるが、吉川さんは「スペイン・サービス(スパニッシュ・サービス)」の人。それが初の大使としての着任なのに、そのグループの通常なら「上がり」のポストである、スペイン大使に任命されたのだ。かくして、20年来の友人たる私は、当然、大拍手。

 先日も小欄で触れたが、夕闇迫る中を「ジンバブエの遺跡」見たさに、駆け抜けたとき以来の中だ。また、この2年余り、首相官邸で、外務省で、東京財団で・・・何度もお目にかかった仲だ。昔話に花が咲いたのもやむをえまい。

 スペイン大使からロシア大使になった、これまた懇意にしていただいている枝村純郎大使(退官)の例もある。スペインを軽視するわけではないが、さしたる喫緊の重要な外交課題があるとも思えない。美術、サッカーなどにさらに造詣を深め、EUの「もう一つの大国」(唯一スペインのみ「イージス艦」を保有している)と日本との絆をさらに強化してほしいものだ。

 今後10年近くは外交官を続け得る年齢のはずなので、さらなる活躍を期待したい。

 後任は現在アフガニスタン大使である奥田紀宏氏。またまたお世話になりそうだ。

土木と建築 [2006年07月28日(Fri)]





    公園をつくるのは土木で、東屋は建築なのかな? (目黒の林試公園で)



 今年は新年早々から手抜き工事や機器の不備がいろいろ指摘され、建築会社、エレべータ会社、そして最近では湯沸かし器会社が糾弾されている。

 でも、不思議なのは、我が家の近く、首都高速2号線(目黒、荏原方面)では、いまごろ橋脚の補強工事をしているのです。これってありかな。当時の建設省は何をしていたのかな。

 土木は、英語でcivil engineering。日本語としては平安末期の文献に出てくる古い言葉。道路、堤防、砂防、ダム、橋梁、鉄道、トンネル、河川、港湾、上下水道、都市計画などの分野を指す。

 建築は、家屋やビルなどの建造物をつくることを指す。建築のことを古くから「普請」といっていたが、Architectureを幕末に「建築」と訳した。

 建設はconstructionまたはbuilding。「新たにつくり設けること」と『日本国語大辞典』にはあり、必ずしも建造物を構築する場合のことではないことを示して、『公議所日誌』の「明治2年5月」の項に「曖昧過罪の切腹を除かんとならば、自首律を建設し」と、森鴎外の『ヰタ・セクスアリス』から「哲学は職業ではあるが、自己の哲学を建設しようなどとは思はないから」の2つの用例を示している。もちろん、矢野龍渓の『経国美談』に「此の処は則ち有名な高等裁判所を建設しある地なり」と工学上の使用例も挙げている。

 ところで、土木と建築の境界はあいまいというほかない。

 何人かの専門家に訊いてみたが、「屋根や壁のないのが土木で、あるのが建築」というのが比較的納得できそうな区分というほかない。

「資材を用い、地表より鋭角的に高く創り上げていくのが建築、地表面や地下、谷間などを加工して工事をするのが土木」ではいかがか。
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