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平和賞受賞女性の新NGO [2006年04月28日(Fri)]





  ノーベル平和賞を受賞した女性は全部で12人いるが、現存している人は7人。

  このほど、ジョディ・ウィリアムズさんとイランの弁護士シリン・エバディさんが、まずイランとアメリカのとげとげしい関係の是正に動き出したのがきっかけだ。二人は互いに、自国の市民の声を集めて伝え合おうとしている。そうすることによって、両国の人々が武力によって関係改善を図ろうと望んではいないことを明らかにしたいとジョディはいう。

 7人中の5人で、小さなNGOを作った。

 Women Nobel Peace Laureates' Initiative(ノーベル平和賞受賞女性行動計画)である。

 持続可能な発展、民主主義、平和への貢献で一昨年受賞したワンガリー・マータイさん(ケニアの環境運動家)、その前年のエバディさん(イラン)、1993年のリゴベルタ・メンチュさん(グアテマラの先住民運動家)、そしてベティ・ウィリアムズさん(北アイルランドの平和運動家)といったメンバーだ。

 しかし、残る2人はこのネットワークのメンバーではない。一人が91年の受賞者アウンサン・スーチーさん。

「気の毒なことに私たちには連絡する方法がない。メールも手紙も届けることが出来ない」とジョディは言う。

  他の一人はべティ・ウィリアムズさんとともに北アイルランドの和平に貢献した人だが、その後の状況変化と人間関係の難しさを反映しているのか。

  5人のさらなる活動の発展に期待し、2日間、いろいろ学ばせていただいたことを感謝して、宿舎までお送りした。明日、ジョディは5人の第1回目の顔合わせのため、バリ島に向かう。 See you, again.



   挿画「実相寺春爛漫」は、石田良介画伯のご厚意で掲載させていただいております。
ホワイトハウスの報道官 [2006年04月28日(Fri)]



   辞意を表明したマクレラン大統領報道官の後任に、FOXテレビのコメンテーターを務めるトニー・スノー氏が就任した。

「ホワイトハウスの顔」として政策を内外に説明する重要な役割を担う大統領報道官に、記者経験もある保守系の論客を起用することで、ブッシュ政権は支持率回復を図る狙いだ(共同通信)ろう。

  スノー氏は1991年、現大統領の父親のブッシュ大統領のスピーチライターを務めていた。その後、コラムニストを経て96年、FOXテレビの一員となった。このテレビ会社はブッシュ政権寄りの立場が鮮明で、イラク戦争で米国民の戦意昂揚を図ろうとする姿勢の報道を繰り返したことで知られている。

ただ、はたしてかくも保守的な思考回路の人がアメリカの代表として、連日、国際社会に放しかえるとすれば、逆に自国の孤立化を一層、進めかねないと危惧する人も少なくない。

 現に、ジョディ・ウィリアムズはきょうの駐日カナダ大使館での講演の中であえてスノー報道官について触れて、ブッシュ政権を厳しく非難した。

  この人事について、アメリカのジャーナリズムに詳しい、友人のA氏が、次のような情報を提供してくれた。

   ☆・・・・・・   ☆・・・・・・

  ブッシュ米大統領が報道官を新しく任命しましたが、このポストは1930年代にフランクリン・ルーズヴェルト大統領によって作られました。

  二人の大統領の下で報道官を務めたのは近くはレーガン大統領とブッシュ(父)大統領の報道官だったマーリン・フィッツウォーターです。

  その前には1961年から64年にかけピエール・サリンジャーがケネディ、ジョンソンの二人の大統領の報道官を続けています。

  ダニエルズは1945年の一年だけでしたがルーズヴェルト、トルーマンの二人の報道官でした。ルーズヴェルト急死という緊急事態の時でした。

  ニクソン大統領のジーグラー報道官はニクソン政権の最初から最後までを務めました。

   ☆・・・・・・   ☆・・・・・・

  翻って、わが国の場合を考えてみよう。

  各国にすぐれた報道官がいる。わが国は官房長官が報道官を兼務しているが、これが最善かはさらに吟味する必要があろう。

  官房長官は、政府内の調整、国会や政党との調整の主役であり、その人が、朝夕、記者会見をするということの良し悪しがあるように思う。たとえば、前の細田官房長官、さらにその一つ前の福田官房長官は調整役としては適任かとは思うが、果たして、内外の記者に対応するのに最適任かどうかは疑問なしとしない。

  小池百合子、猪口邦子両大臣のほうが、報道官としてはずいぶん、合っているのではないかと思う。少なくとも、猪口さんが少子化担当というのは、才能を殺しているようなものだ。さまざまな非難にさらされているようだが、これはどうみても適材適所ではなかったのではないか。
ジョディ発言集 @ [2006年04月28日(Fri)]



発言するジョディ・ウィリアムズさん(右)とコーディネータの長 有紀枝難民を助ける会前事務局長(4月27日、早稲田大学井深記念講堂で)




  ジョディ・ウィリアムズさんには多くの学生が質問した。日本語の人よりも英語で質問する人のほうが多かった。公平に見て、男子学生の質問がよりナイーブ(純朴)であったように私には思えた。以下、少し、ジョディの回答を収録しておこう。

「私は大学で心理学を専攻した。でも、だからといって何かに精通するわけでもないし、おそらく母は嘆いたでしょうが、歯科医の助手をはじめ、さまざまな職を転々とした。そうしているうちに中米との出会いがあって、これだっ!とばかり飛びついた。母はもっと悲しんだみたいだった。当時のアメリカ社会には、中米諸国の貧民に尽くすということは即ち、コミュニストであるとレッテルを貼られるような傾向があった。ニカラグアでは動いているエレベータはインタコンチネンタル・ホテル1ヵ所だった。複雑な内乱と政争が真っ盛りだった」。

「それから比べれば対人地雷禁止のほうがわかりやすい。小さな子供の脚を吹き飛ばすんですよ、あなたの子供や孫の、というのは身につまされて解ってもらえる」。
「対人地雷全面禁止条約は今週、ブルネイが批准して151カ国となった。国連加盟国は191カ国、数で言えばあと40カ国ということになろうが、ここからが大変だ。米中露そしてインドもパキスタンも加入していない」。

「武装非国家主体(交戦団体)の使用する地雷を規制することも重要な課題だ。Geneva CallというNGOのホームぺイジを見れば、どんな武装非国家主体が対人地雷を放棄しているかが判るが、その一方で、爆弾や地雷を身に付けた自爆テロも盛んに起こっている」。
「私は米国のイラク政策に反対して2年前、ホワイトハウスの前で逮捕された。1晩で釈放はされたが・・・。引き続き、批判すべきは批判している」。

 次回は、ジョディがICBLをどのように発展させ、対人地雷全面禁止条約成立にまでこぎつけたかを少し紹介しよう。
中国語の履修者が8割 [2006年04月28日(Fri)]






 早稲田大学では、世界に通用する学生を養成するため、ずいぶんいろんな工夫をしているようです。英語や中国の授業は4人に一人の教師がつく、在学中に外国に1年間、留学する制度を設けたり、授業を英語でやる学科があったりです。

 ですから、昨日も多くの学生が、同時通訳のレシーバーをはずしていました。私はむしろ、「日本一」の同時通訳者(の一人)であり、両陛下にいつも随行している原不二子さんの名通訳ぶりを聞かれたら、と勧めたいくらいだったのに。

 私は少なくとも司会をするときや、その会議の運営に責任がある場合には必ず、両方を聞くことにしている。

 3月に長崎で行なわれた国際シンポジウムでも、1956年の「日ソ共同宣言」を「日ソ共同声明」と訳されて、同時通訳室に注意してあげたし、一昨年は、今、アメリカの国連大使をしているジョン・ボルトン国務次官(当時)を招いて、東京財団と米国大使館共催の虎ノ門DOJOを行ったときも、大使館の通訳が「Libya」と「Liberia」をごちゃ混ぜにして通訳していたので、私は司会者だったので、講演を停止して、通訳に注意させていただいた。

 その早稲田で今、第2外国語の選択希望を出させると、ほとんど90%以上が中国語だという。「諸般の事情から、約80%で抑えているんだよ」と、往年のわがクラスメート堀口健治副総長がいう。われわれが在学中は、独仏露西の第2外国語の選択が可能で、4:4:1:1であったというのに。

 世界におけるフランス語、スぺイン語その他重要な語学がたくさんある。」ロシア語、アラビア語は国連の公用語でもある。早稲田の社会的な地位と使命を考えれば、せめて中国語は半分までの人数でいいのではないかと、私には思えるのだが。



挿画「北岳」は、石田良介画伯のご厚意で掲載させていただいております。禁無断転載。
小泉首相という人 [2006年04月28日(Fri)]







 自民党政務調査副会長岩屋毅(いわやたけし)衆議院議員からいただいたメールです。小泉首相の人柄を彷彿するなかなかの分析だと思いますので、ご紹介しましょう。

   ☆━━━━…‥・     ☆━━━━…‥・

  さて、昨晩はかねてよりお世話になっている杉浦正健法務大臣と会食する機会に恵まれました。杉浦大臣とは議員宿舎も一緒で、お互いに毎朝、ウォーキングをしている、言ってみれば「ウォーキング仲間」なのです。

  この杉浦大臣は大臣就任前は官房副長官というお立場で小泉総理に直接仕えておられました。小泉総理は就任から丸5年を超えたわけですが、一向に国民の支持が衰えないところには凄みを感じますよね。先の「補選」で久々に敗退したとはいえ、総理が応援に出かけた外套には動員せずとも、何万人という人手があふれたそうです。

  杉浦大臣は小泉総理はやはり「徳人」であり、それが長期高支持政権の秘密だと言うのですね。そして、そのポイントは5つあると解説してくれました。

  第一には「よく泣く人である」ということ。つまりは「感激屋」さんなんですね。知覧に行って泣き、オペラや歌舞伎を見ては泣き、ブラジルで日系人の苦労に触れて泣き、という風にいつも泣いている(笑)。それは心が「純真」であるからだ、という見方です。

  二番目には「恒心」、と言われました。周りの状況の変化に惑わされない不動の精神があるということですね。この辺は既に定評のあるところでしょう。

  三番目には「器ならず」と言われました。なにも「器量がない」と言っているのではなくて、その逆ですね。定まりきった「器」ではない、ということです。変幻自在に大きくもなれば小さくもなる。

  四番目には「人の悪口を言わない」。これは徹底しているそうで、人の悪口を言わないばかりではなく、悪口を聞くのも大嫌いだそうです。なんでも、人の悪口を聞かされるとだんだんと眉間
に皺がよってくるのがわかるそうで。

  そして、最後は「人の話をよく聞く」。これは、私も何度か経験しました。決して返答はあまりくれないのですけれども、こちらが話している間は目をつぶって、フンフンと聞いてはくれます。ほんとに聞いてるのかいな?と思うこともありますが、杉浦大臣に言わせると、合点がいった内容はちゃんと覚えているんだそうです。

  話をうかがって、「なるほど、そのとおりだな」と思いました。小泉総理がほんの短いフレーズで国民の心を捉えてしまうのは、決して「技巧」などではなく、その「人間性」にこそ秘密があるのだと思います。「最大の政治力は人間力そのものである」ということをあらためて痛感させられたような次第でした。

  では、どうぞお元気でお過ごしください。

                   
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