「南京事件」、私たちも発信を [2006年01月23日(Mon)]
東京財団では、このたび、「南京事件」研究の第一人者である東中野修道亜細亜大学教授の英文の著書を3000部買い上げ、ハードカバーに作り変え、世界の図書館、大学、研究者に配布します。また、2006年度はNYとDCでシンポジウムを開催します。諸般の情勢を考えれば、大げさかもしれませんが、命がけです。もちろん30万人はあんまりですが、極端に言えば一人でも純然たる民間人(赤ん坊はその典型)を殺害すれば、戦時であろうともそれは、犯罪です。そうした犯罪がなかったと断定できないでしょうが、戦時国際法上、便衣(民間人の服装)に着替えて抵抗したものの殺害は正当です。私は数の問題ではなく、まずは日本側として反省すべき点は何かをよくわきまえ、かつ、不当な糾弾に対しては断固として反論し、闘うとぴう姿勢が、「民」にも「官」にも必要なのではないかと思います。
日本の若い人にもこの問題に大いに関心を持っていただきたく、先般、虎ノ門DOJO(道場、東京財団が毎週一回開催している公開講演会。参加自由、入場無料)に、25歳の稲垣大紀くんを講師にお招きしました。稲垣君は昨年春、東洋英和女学院大学大学院修士課程を終えた男性(東洋英和の大学院は社会人入学で共学)若者です。修士論文は「南京事件の検証」で、同大学で最高の研究をした卒業生に与えられる「長野賞」を受賞されました。彼の講演録と論文を合わせたものが、3月末に、中央公論事業出版から出されます。『25歳が読む南京事件』というタイトルになりそうです。 内外に発信することは大事な役割と考えています。 |