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論点:ロシアとどう向き合う [2013年04月28日(Sun)]
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択捉島単冠湾。2008年筆者撮影


安部首相はきょう、ロシア中東への訪問に出発する。明日29日、モスクワでプーチン大統領との日露首脳会談に臨む。

そこで、毎日新聞の大木俊治論説委員(ロシア特派員を10余年経験した人)のインタビューに答えた記事が2013年04月26日付11面に、紙面を3分割して愚見を披歴させていただいた。他のお二人は森嘉朗元首相、岡素之経団連日ロ経済委員長という「大物」。私のところの見出しは「待てば待つほど有利に」であり、「天の時」をとらえるのが大事だと言っているつもりだ。

森さんは「相求め合うものがある」、岡さんは「極東開発で関係強化を」という見出しだが、意外に3人の考えが近そうなことに、私は自身が少し驚いたというのがホンネだ。

以下、その記事を転載させていただく。1855年条約は正しくは「日魯通好条約」だが、新聞社の使用文字制限の都合で「日露」となったのだそうだ。歴史的事実を曲げるのはいかがかと思うが。

                ★   ☆    ★

 安倍晋三首相が28日、日本の首相として10年ぶりにロシアを公式訪問し、プーチン大統領と会談する。両国を取り巻く安全保障、経済情勢が大きく変わる中、北方領土問題を抱える日本はロシアとどう向き合うべきか。

 初めてロシアを訪れたのは1968年(当時はソ連)。以来120回以上、ソ連・ロシアを訪れ、専門家会議などで意見交換してきた。ソ連は当初「領土問題は解決済み」と強弁していたが、91年に来日したゴルバチョフ・ソ連大統領(当時)が初めて歯舞群島、色丹島、国後島、択捉島の4島の名前を挙げて領土問題の存在を認めた。

 4島返還要求は日露通好条約(1855年)などに基づく歴史的に正統な主張だ。駆け引きではない正札の要求と言ってよい。4島の返還時期は柔軟でも良いが、3島とか、3・5島とか、2島「先行」返還とかで妥協してはいけない。安倍首相の訪露でも成果を急いではいけない。参院選で政権基盤を固め、じっくり取り組んでいくべきだ。

 ロシアにとってシベリア・極東の人口減少は大きな問題だ。ロシア極東の人口は約600万人。隣接する中国東北部には2億人が住む。中国の台頭はロシアにとって穏やかではない。一方、もう一つの隣国である日本には安定した社会、技術力、市場がある。軍事的な脅威はない。ロシアはエネルギー資源に恵まれているが、このままでは資源依存経済から脱却できずものづくりをしない「サウジアラビア化」の恐れがある。経済構造を転換するため日本の技術力を必要としている。日露はきわめて補完性の高い関係だと言える。日本は待てば待つほど有利な状況になる。

 しかし、日本側の準備は不足している。何よりロシア語を学ぶ人が少なく、国際会議でも通訳の確保が大変だ。若者にもっとロシアに関心を持ってほしい。音楽や文学などロシアには大いに尊敬すべき文化がある。昔は横浜港からバイカル号に乗ってナホトカへ行き、そこからシベリア鉄道に乗るというルートでロシア(ソ連)に安く行けたが、今やロシア行き航空運賃は欧州へのパック旅行より高い。ロシアの若者は日本に強い関心を持っている。日本政府はロシアの若者を日本に呼ぶだけではなく、日本の若者をロシアに連れて行くような交流強化策に取り組むべきだ。国の姿勢が問われている。

 ロシアとどういう経済協力をするのかという戦略も準備不足だ。資源だけでなく鉄道や空港の整備などロシアの国家的事業に協力する可能性を探るべきだ。安全保障や教育の面でも協力を深めることができる。4島は譲れない代わりに、ロシアの顔を立てる形でどんな協力ができるのかを考え、総合的に北方領土問題の解決を探る必要がある。それこそが真の「引き分け」であることを説得すべきだ。

 ロシア側がしばしば持ち出す4島での共同経済活動は難しい。交通規則から裁判制度まで両国の法体系は全く違う。ただし、4島が返ってきたら住民(ロシア人)をどう処遇するのか、運転免許や医師の国家資格を認めるのかなどはきちんと考えて準備しておく必要がある。それは柔軟に考えるべきだろう。

 日本に理解のあるプーチン大統領が政権を握っている間に解決できればよいが、焦ってはいけない。旧島民の高齢化という問題はわかる。(旧島民が多く住む)根室など道東地域の経済立て直しを進めるなどの対策が必要だ。だが4島返還の立場を譲ってはいけない。安易な譲歩は竹島や尖閣諸島をめぐる他国との領土問題にも影響する。【聞き手・大木俊治】
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コメント
いつもながらの邦道師のご理解、ご指導に感謝します。私はHP「タディの国旗の世界」で書きましたように、今回の安倍訪露を高く評価しています。
 同時にこれからが正念場、日本の主権の問題をないがしろにすることは、世界の不信を買うことです。矜持を保ち、正々堂々と交渉してほしいものです。そのために、政、官、学、報道、経済各界の一層の絆を深めてまいりたいと思います。
Posted by: 吹浦忠正  at 2013年05月01日(Wed) 16:06

お説に大賛成。だが、森元総理の発言・考え方が非常に気になる。また、北対協の荒川理事長の発言(この2月、県民大会講演で、元島民の高齢化に触れて、早期解決を望んでいる。早く解決しないと・・との焦りがある)も気になる。プーチン政権がチャンスとは思うが、その為には、お説の通り、「引き分け」に関する我が国の準備・支援協力の中身の検討が急がれねばならない。国民世論は「引き分け」なら2島返還だ、などど地域の有識者と云われる人までが云い始めた。そのたびに私と口論することになるのだが、政府の対応準備と返還の手法・「引き分け」の中身を国民世論として統一していく努力が、このチャンスを生かすためにも不可欠と思う。貴兄の更なるご尽力を乞うものです。・・合掌・・
Posted by: 山本邦道(俗名邦彦)  at 2013年04月29日(Mon) 09:44