• もっと見る
«北方領土返還への道L | Main | 北方領土返還への道M»
<< 2014年04月 >>
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30      
最新記事
カテゴリアーカイブ
月別アーカイブ
ロシアと韓国の国歌 [2012年02月03日(Fri)]








ソ連の国歌とロシアの国歌について、
名古屋のWさんという高校2年生から
質問が来ました。

Wさんはもとより、今の大学生は、(まともに?
入学していたら)みな平成生まれです。

と言うことは「冷戦」は知らないし、
「ソ連の崩壊」も「昔のことね」でおしまい。
中には、「ソ連ってなぁに?」という人さえ
いるのです。

無理はありません。平成3年末には
ソ連は崩壊していたのですから。

念のために書きますと、「ソ連」は、
「ソビエト社会主義共和国連邦」の略です。

各種のスポーツ大会でソ連選手は
世界を席巻し、
「CCCP(「ロシア語による国名の略号、
セ・セ・セ・エルと読む)」のユニフォームは
ひかり輝いていました。

中学生だった私は、
いつのまにかソ連国歌を諳んじてしまうほど、
何度も表彰式でこの国歌を聴かされていました。

今のロシアの国歌は、
紆余曲折はありましたが、
プーチン大統領(当時)の一声で、
1944年に制定されたソ連時代のメロディー
(アレクサンドル・アレクサンドロフ作曲)が
復活したものです。2001年の元旦からのことです。

歌詞もまた、
ソ連国歌の作詞者である
セルゲイ・ミハルコフがメロディーに合わせて
新たに作詞したものなのです。

実は、1990年代に脱ソ連化を推し進めていた
ボリス・エリツィン大統領(当時)により
ミハイル・グリンカ作曲の「愛国歌」を
暫定国歌として定めていたのですが、
経済が未曾有の混乱を続け、
貧窮のさなかに陥っていたためもあり、
この歌詞のない暫定国歌は、
定着せず、
多くの人にとって
「今では思い出したくもないという時代と歌」に
なってしまっています。

ロシアの国家院(ドゥーマ)では、
ジュガーノフ率いる共産党は、
当時も今も一定の勢力と影響力を
保持しています。

国民の中に潜在している大国ロシアへの郷愁と
誇り呼び起こすことが出来るとして、
共産党がソ連国歌の復活を提案、
エリツィン大統領と対立していました。

エリツィンに代わって大統領となった
ウラジーミル・プーチンは、
共産党への懐柔策と「強いロシア」を夢見ている
国民の「夢よもう一度」の期待に迎合して、
このいかにも大国の国歌らしい
荘重なメロディーの国歌の復活を図りました。

そしてこれは多くの国民に大歓迎されたのです。

ただ、こうした経過は諸外国、
とりわけ旧ソ連構成国には
「ソ連復活を企図か」という「悪夢」を呼び起こし、
「冷戦時代の再来」という印象さえ振りまいたのでした。

それでも、原油の高騰と天然ガスの輸出で
ロシア経済が発展し、
人々が自信を取り戻しつつあったこともあり、
この曲は定着したと言っていいでしょう。

国歌のメロディーはそのままにして
歌詞だけ変えたのはロシアですが
お隣りの韓国はその逆をやっています。

韓国の国歌は、かつて「蛍の光」の
メロディーだったのですが、
独立後、安益泰が作曲しなおしたものです。

コメントする
コメント
ソ連の国歌は、モチベーションを高めるような力強さを感じますし、ロシア人が現在の国歌に愛着を感じるのは、かつて強大だったソ連時代の栄光を思い出させるからかもしれません。

ソ連時代は、各共和国にそれぞれの国歌があり、ロシア以外の旧ソ連諸国ベラルーシ、タジキスタン、ウズベキスタンでも、ソ連時代の共和国国歌と同じメロディーを国歌に継承しております。(この前まではカザフスタンも同じグループに入っておりましたが、2007年独自の国歌に変更しました)

ロシアへの警戒感とソ連時代へのアレルギーが強い国ほど、ソ連やロシア的な要素を排除しようとしますが、国歌を変えても、精神面(官憲が大きな権力を有する国家体制の体質)と体力面(ソ連時代に作られた古いインフラの継続使用)で、ソ連から「脱皮」できている国は、バルト3国以外ないように感じます。

余談になりますが、プーチンはロシアの国歌だけでなく、2008年にロシア軍の軍服もソ連時代と同じスタイルに回帰させています。
軍服のデザインは、ロシアの著名なファッションデザイナー ヴァレンティン・ユダシュキンが手がけ、ボタンの数やバッジなど細かい部分に差違はあるものの、軍服の色遣いや帽子のサイズを含めたスタイルは、ロシア帝国のものよりも、ソ連軍を意識した作りになっております。(プーチンの出身であるKGBの後継組織FSBの制服もソ連時代のスタイルに戻るのかと思いましたが、こちらは国境警備隊と共に新たに違うデザインになり、意外でした。)
こうしたロシアの動きを受け、昨年はカザフスタンが、軍服のデザインを更新しました。最近中国には押され気味なロシアですが、旧ソ連諸国では未だ国の羅針盤を、ロシアの動向に合わせている国が多いように感じます。
Posted by: МиГ-21CCCP  at 2012年02月07日(Tue) 19:07

15の共和国が連邦を構成していたのですから、共和国連邦なのです。
「響」さまはサントリーの社員ですか?
サントリーホールのシンボルマークも響という字ですよね。直営のレストランもその店名ですし。それともご常連?
Posted by: 吹浦忠正  at 2012年02月04日(Sat) 08:17

「CCCP」の正しい読み方を、初めて知りました。
勉強になりました。

それに、ばっちり「ソビエト連邦」で社会科を習った世代なのに、
「ソビエト社会主義連邦共和国」と記憶していました。

おそろしや〜!なんという記憶の曖昧さ!
これから、いろいろ確認しなければ。
Posted by: 響  at 2012年02月04日(Sat) 01:08