ロシアと韓国の国歌 [2012年02月03日(Fri)]
ソ連の国歌とロシアの国歌について、 名古屋のWさんという高校2年生から 質問が来ました。 Wさんはもとより、今の大学生は、(まともに? 入学していたら)みな平成生まれです。 と言うことは「冷戦」は知らないし、 「ソ連の崩壊」も「昔のことね」でおしまい。 中には、「ソ連ってなぁに?」という人さえ いるのです。 無理はありません。平成3年末には ソ連は崩壊していたのですから。 念のために書きますと、「ソ連」は、 「ソビエト社会主義共和国連邦」の略です。 各種のスポーツ大会でソ連選手は 世界を席巻し、 「CCCP(「ロシア語による国名の略号、 セ・セ・セ・エルと読む)」のユニフォームは ひかり輝いていました。 中学生だった私は、 いつのまにかソ連国歌を諳んじてしまうほど、 何度も表彰式でこの国歌を聴かされていました。 今のロシアの国歌は、 紆余曲折はありましたが、 プーチン大統領(当時)の一声で、 1944年に制定されたソ連時代のメロディー (アレクサンドル・アレクサンドロフ作曲)が 復活したものです。2001年の元旦からのことです。 歌詞もまた、 ソ連国歌の作詞者である セルゲイ・ミハルコフがメロディーに合わせて 新たに作詞したものなのです。 実は、1990年代に脱ソ連化を推し進めていた ボリス・エリツィン大統領(当時)により ミハイル・グリンカ作曲の「愛国歌」を 暫定国歌として定めていたのですが、 経済が未曾有の混乱を続け、 貧窮のさなかに陥っていたためもあり、 この歌詞のない暫定国歌は、 定着せず、 多くの人にとって 「今では思い出したくもないという時代と歌」に なってしまっています。 ロシアの国家院(ドゥーマ)では、 ジュガーノフ率いる共産党は、 当時も今も一定の勢力と影響力を 保持しています。 国民の中に潜在している大国ロシアへの郷愁と 誇り呼び起こすことが出来るとして、 共産党がソ連国歌の復活を提案、 エリツィン大統領と対立していました。 エリツィンに代わって大統領となった ウラジーミル・プーチンは、 共産党への懐柔策と「強いロシア」を夢見ている 国民の「夢よもう一度」の期待に迎合して、 このいかにも大国の国歌らしい 荘重なメロディーの国歌の復活を図りました。 そしてこれは多くの国民に大歓迎されたのです。 ただ、こうした経過は諸外国、 とりわけ旧ソ連構成国には 「ソ連復活を企図か」という「悪夢」を呼び起こし、 「冷戦時代の再来」という印象さえ振りまいたのでした。 それでも、原油の高騰と天然ガスの輸出で ロシア経済が発展し、 人々が自信を取り戻しつつあったこともあり、 この曲は定着したと言っていいでしょう。 国歌のメロディーはそのままにして 歌詞だけ変えたのはロシアですが お隣りの韓国はその逆をやっています。 韓国の国歌は、かつて「蛍の光」の メロディーだったのですが、 独立後、安益泰が作曲しなおしたものです。 |